

経済大国といわれる日本は、物質的にはとても豊かな国になっているようにみえます。ところが、少子高齢化にともなう総人口の減少が現実に進む中で、今日では国民生活の不安とともに社会保障や地域福祉など生活のセーフティーネットをどのように再整備すべきかが問われるようになりました。子どもや高齢者、しょうがい者、さらには国民すべてが安全で安心して暮らせるためにはどのような福祉政策や地域連携が必要なのか。地域社会における諸問題を理解し、国や自治体の政策だけではカバーしきれない問題にどう対応すれば良いのか…。社会福祉学とは、人間がいかに幸福な生活を送れるかを考える学問です。

1994(平成6)年に開設した社会福祉学部は、社会福祉学科(第一部・第二部)、福祉環境学科、2006年4月に開設した子ども家庭福祉学科で構成されています。近年、注目を集めている社会福祉分野。設立13年目の本学部は比較的新しい印象を与えるかもしれませんが、熊本学園大学の前身となる熊本短期大学の時代からすでに社会福祉教育は始まっていました。本学部は、創立から50年以上にわたって社会福祉の原点を探り、人と社会の共存を願う地域や時代の切実な思いが形となったものです。もともと熊本学園大学は、地域社会における「福祉」と「保育」に深い関わりがあります。これまでも、地元熊本県の社会福祉協議会や福祉関連施設などに、数多くの人材を輩出してきました。いわば、本学部の社会福祉教育は、地域社会と共に築き上げてきた結晶といっても過言ではありません。「地域で子育てを」という発想から始まった保育など、地域の課題に密着した学問や研究は、本学部にとって貴重な財産でもあります。また、「水俣学」のプロジェクトをはじめ、生活環境学、障害学など、全国でも本学部でしか学べない教育・研究が充実しています。さらに、学部教育のみならず、広島以西では本学のみとなる大学院・社会福祉研究科(社会福祉学専攻修士課程・博士後期課程、福祉環境学専攻修士課程)が設置され、高度で専門的な研究活動が行えるのも特徴のひとつです。
育児、介護、環境など、地域で実際に起きている問題をそこに暮らす住民と同じ目線で考え、社会福祉を計画・実践する。現地に足を運び、幅広い知識と技術をもとに、自らの思考力・判断力でさまざまな問題に立ち向かう―、社会の問題を自分の問題として捉えることができる、社会福祉のスペシャリストを育成し、地域社会の熱い期待に応えていくと共に、さらなる発展に貢献したいと願っています。

「人々が幸福に暮らせる状態を、どうつくるか」。これが、社会福祉学部の教育理念です。社会福祉・社会環境などの専門的な知識を学ぶと共に、社会、経済、法律、歴史、さらに心理学や美術まで多彩な科目を設け、様々な事象を広く深く修得。社会福祉学部で、このように多種多様な科目群を置いているのは全国的にも珍しく、社会福祉を多元的に捉えようとする本学部の特徴を表しています。また、水俣での聞き取り調査、車いす体験など、全学科において現地主義(フィールドワーク)を重視した体験型教育を実施。実社会の問題を身近な視点から捉え、自らの経験を通して学ぶことで、学生の成長を助けると共に豊かな人間性を育むことに役立っています。
第一部社会福祉学科は、ソーシャルワーク(社会福祉)と介護福祉を学習します。社会的問題に関わるソーシャルワーカー(社会福祉士)、4年制大学では珍しく直接ケアにあたる介護福祉士の養成を行っています。
第二部社会福祉学科は、夜間に社会福祉を学べる九州唯一の学科です。働きながら学ぶことが可能で、商学科との相互受講制などでビジネスや法律など幅広く勉強できます。
福祉環境学科は、いのちと人権と環境を総合的に学習できる全国的にも珍しい学科です。学外での体験学習を中心としたフィールドワーク、精神障害者の地域生活を支援する精神保健福祉士養成も実施しています。
子ども家庭福祉学科は、子どもはもちろん親や家庭のウェルビーイング(しあわせ)を守るための福祉を考える学科です。豊富な実習を通して保育・幼児教育・社会福祉の知識と実践的な能力を修得します。保育士の資格をベースに、幼稚園教諭第一種免許または社会福祉士国家試験受験資格が取得可能です。

[1]基礎能力の向上
各学科とも、福祉を基礎からトータルに学べるカリキュラムを編成しています。大学での学び方入門としての「入門演習」、フィールドワークを取り入れた「社会福祉入門」「福祉環境入門」「子ども家庭入門」など、導入教育から一貫して体系的に学ぶことができます。段階的に学習を深め、座学のみでなくフィールド学習も積極的におこなうなど、社会福祉の基礎知識を深める授業も充実しています。また、音楽のピアノ練習棟、美術のアトリエ、入浴設備等が完備した介護実習室、小児保健実習室など、実技関連施設も充実しています。
[2]専門知識の修得
社会福祉学科では、3年次から各コースごとに独自の専門科目が設置されます。ソーシャルワーク特論、芸術療法入門、社会福祉運営論など、より専門性の高い学習が展開されます。福祉環境学科では、福祉環境論を中心により専門的な内容へとレベルアップしていきます。環境問題の現状や地球温暖化問題を身近な視点で考える生活環境論など、本学科独自の科目など、幅広く学びます。
子ども家庭福祉学科では、実施されるすべての実習を、入門・発展・総括・応用実習と位置づけ、2年次より実習を開始し、3年間を通して理論的学習と実習を交互に学び、実践的力量を養成することを目指しています。また、全学科に共通して、社会福祉士国家試験受験資格を取得できるよう科目が配置されています。
[3]問題発見・解決能力、コミュニケーション能力の体得
1・2年次を中心に実施されるフィールドワークでは、さまざまな体験を通して多様な現実社会を学びます。自分の目で問題を発見し、解決するために学生同士で議論を交わします。学生が主体となった教育スタイルで、一人ひとりの潜在能力を引き出し、知識と技術を高めます。ボランティアなど、自主的な活動も積極的に支援しています。
活躍のフィールド
学部開設以来、すでに多くの人材を熊本県内外の福祉関連施設や民間企業に輩出している教育実績は、カリキュラムのフィールドワークや各種施設における現場実習に大きく反映されています。また、少子・高齢化社会の様々な問題がとりあげられる昨今、ソーシャルワーカーとして活躍する分野だけではなく、介護サービス、福祉・介護機器メーカーをはじめとする民間の福祉産業、あるいは金融機関などの高齢者サービスなど、社会福祉を取り巻くフィールドは拡大の一途です。社会福祉研究所の研究活動や学生サークルによる様々な福祉ボランティアも活発に展開しています。社会人学生が学びやすい教育・研究環境の整備なども積極的に推進していきます。限られた専門分野の知識、技術だけでなく、社会福祉を多角的な視点から捉えることのできる人材の育成を目指しています。
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【第一部社会福祉学科】 |
高等学校教諭一種免許(福祉)/介護福祉士/司書・司書教諭 |
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【第二部社会福祉学科】 |
高等学校教諭一種免許(福祉) |
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【福祉環境学科】 |
精神保健福祉士国家試験受験資格/中学校教諭一種免許(社会)/高等学校教諭一種免許(地理歴史・公民)/司書・司書教諭 |
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【子ども家庭福祉学科】 |
幼稚園教諭一種免許/保育士資格/司書資格 |
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<学科共通> |
社会福祉士国家試験受験資格/社会福祉主事任用資格/レクリエーション・インストラクター/(障害者)初級スポーツ指導員/ダンスムーブメント指導員受験資格 |
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【ライフ・ウェルネス学科】 |
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