銀杏並木
特集 写真でたどる熊本学園大学67年の伝統


写真:熊本海外協会会館前で[昭和15年]
前列左から5人目が阿部野利恭熊本県支那語学校校長
(東洋語学専門学校初代校長)

1918〜 熊本学園大学発祥のルーツ
 明治初年以来、熊本県は海外に志ある幾多の先覚を輩出してきた。当時、海外を志向する県民の志やその気運とともに、様々な運動や集会の中で、日本の海外政策や時事問題が論議されていた。多くの若者たちに継承されたその熱い思いが実を結び、1918年(大正7年)、民間の外交団体「財団法人熊本海外協会」が設立された。この「財団法人熊本海外協会」こそが、今日の熊本学園大学発祥のルーツである。



写真:学校敷地開墾作業(立田山)[昭和17年頃]
すべての職員と学生が一体となっての汗と努力のたまものだった。

1938〜 県民のためにもっと大きな学校を
 1938年(昭和13年)、日華事変が始まったその翌年、熊本海外協会は、時局の要請に呼応し、中国語を教える「熊本県支那語学校」を開設した。短期養成型の中国語学校として、約1年間で日常会話をマスターできる程度の授業が行われた。
 1942年(昭和17年)4月1日、「熊本県にはこれといった語学の専門学校がない。県民のためにもっと大きな学校を」との提案から、3年制の「東洋語学専門学校」が発足した。設置学科は、支那語科、露語科、馬来語科の3学科。太平洋戦争の最中、当初の授業はまさに混乱を極め、立田山山麓の校舎建設は教師と学生がツルハシやショベルを振るい、モッコ(土砂などを入れて運ぶ道具)を担いで行うことになった。

 1943年(昭和18年)5月30日、東洋語学専門学校は、待望の開校式典を執り行うことになった。この開校式が挙行された5月30日こそ、学園発祥を今に偲ぶ、熊本学園大学の創立記念日である。

写真:出陣学徒の藤崎宮参拝[昭和18年11月17日]
本校学生の出陣者は125名。
徴兵や勤労動員に駆り出された。




写真:高橋 守雄
熊本語学専門学校校長・熊本商科大学初代学長

1945〜 大学への昇格を目指してー 全学の夢と希望が開花する
 1945年(昭和20年)8月、太平洋戦争は広島・長崎への原爆投下とともに終戦を見た。東洋語学専門学校は、新生の意気込みをもって「財団法人熊本語学専門学校」に名称を変更し、新たな歴史を生み出して行くことになった。この頃から、熊本語学専門学校は、全学一致で「熊本外国語大学」への道を歩み始める。夢は専門学校から大学への昇格である。新校長に就任した高橋守雄の大学昇格への猛烈な挑戦が始まった。
 1950年(昭和25年)4月1日、外国語科は従来どおり存続し、新たに商科と社会科を開設することで地域的な存在価値を高め、勤労者を教育の範疇に加えた昼夜2部制の「熊本短期大学」が設立された。
 1953年(昭和28年)、高橋守雄は「九州で商科系大学がないのは本県だけ。どうしても熊本に商大は必要だ。ただ、地元民、特に県市の強烈な協力が多大な力となる」として、新たに「熊本商科大学」商学部商学科第一部・第二部の設置の申請を文部省に提出した。
 しかし、その頃、文部省では学制改革で戦後乱立した新制大学の整理縮小が進み、新大学の設立は困難を極めていた。誰しもが難しいと思った4年制大学の設置認可は、翌年の2月15日に下りた。この年、全国で新設が認められた大学は「熊本商科大学」ただ1校だった。
 
写真:熊本商科大学開学式典当日
[昭和29年6月5日]
現在の正門横14号館と県立劇場の境界
正門道路工事中のキャンパス全景
[昭和29年]
1954年(昭和29年)2月15日、学校法人熊本学園が設立され、4月1日に、「熊本短期大学」と並行して「熊本商科大学」が誕生した。熊本の地に語専を開学して以来、戦前・戦後の大きな時代の変革の中で教職員・学生がともに描いた夢と希望が、見事に開花した年であった。


1966〜 類を見ない一大変革の時


写真:サークル勧誘風景[昭和44年4月]

 1966年(昭和41年)の短大教養科の増設、付属社会福祉研究所の開設に続いて、翌年には経済学部経済学科を増設し、その規模を着々と広げ始めた。高橋守雄に続く大学運営は、野口 基、鰐淵健之、丸山学、松村武雄、長野敏一、北古賀勝幸、岩野茂道、角松正雄、そして坂本正の各学長へと受け継がれることになる。
 1984年(昭和59年)以降、商学部経営学科、経済学部国際経済学科の増設を初め、大学院の設置など、教育システムの充実と教育研究環境の整備が急ピッチで進行し、大学としての完成期が目前に迫っていた。


1994〜 今、新しい価値と伝統を創る


写真:校名変更記者会見[平成5年12月認可]

 1994年(平成6年)4月、外国語学部、社会福祉学部を新設するとともに、熊本商科大学と熊本短期大学を統合、さらに大学名を「熊本学園大学」に変更するという、50有余年の学園の歴史のなかでも、類を見ない一大プロジェクトが完成した。
 現在、文系総合大学として、4学部13学科の上に、5研究科の大学院(6修士課程、5博士後期課程)を有し、「学生が主役の大学づくり」「国際規格の職業人の育成」「地域に存在感のある大学」という三つの教育指針のもと、さらなる飛躍をめざしている。平成21年4月には、専門職大学院(会計専門職研究科)および社会福祉学部ライフ・ウェルネス学科が新たに開設された。67年の伝統を受け継ぎ、新たな価値と伝統を創造する『熊本学園大学ルネッサンス』を掲げ、新時代に呼応する創造的思考と高度な知識を有する人材養成を目指している。
 
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