熊本海外協会創設100周年記念講演会を開催

大学

2018.05.30

 5月30日(水)、14号館高橋守雄記念ホールで、熊本県立劇場館長兼理事長の姜尚中氏を迎え、熊本海外協会創設100周年記念講演会を開催しました。学園の教職員・学生・生徒ら約300名が聴講しました。

 熊本海外協会は、熊本学園の基礎となった「東洋語学専門学校」の前身である「熊本県支那語学校」を設立した団体で、海外において通商貿易や移民に関する調査、対外事業の発展を図ることを目的に創設されました。

 講演会は、同協会がめざしていた、海外を視野においた教育や地方での高等教育の実現といった先見性を、現代にも通じる理念として再考する機会にしようと設けられたもの。幸田学長が姜氏に要請し、本学園の創立記念日である5月30日に開催の運びとなりました。

 姜氏は、熊本海外協会設立から100年を経た現代の複雑な国際情勢と比較しながら、設立当時の欧米列強国への対応が急務となっていたと、日本を含む東アジアの情勢を解説。隣国や近隣の北東アジア諸国への事業活動の展開や移民の必要性が同協会設立の必然性の一つであると紐解きました。

 また、日本においては、国内で人口の移動が少ない点を挙げ、「海外では、人が国境を越えて移動することであらたな機会が生じ、可能性が生まれるきっかけになっている。日本の若者が海外留学に対して興味が低いことに関係があるのでは」と指摘しました。

 最後に、「のちの熊本商科大学初代学長となった高橋守雄先生も、地域のことを気にかけ、海外を視野に入れた人材育成をめざしていたと思う。現代の若者である皆さんは、東アジアへの理解を深め、関心を持つことで、交流をひろげ、国際発展の可能性を見出してほしい」と、日本のみに可能性を留めず、グローバルな視野で活躍の場をめざすよう、学生へエールを贈りました。

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