商学部「銀行論Ⅱ」で肥後銀行 笠原頭取によるゲスト講義が開講されました

学部

2019.01.23

 1月23日(水)、商学部・坂本正シニア客員教授の「銀行論Ⅱ」で、肥後銀行頭取の笠原慶久氏によるゲスト講義がありました。秋学期最後となる講義のテーマは「銀行の役割と肥後銀行の取り組み」。

 冒頭、坂本シニア客員教授が「今の金融業界は、日本だけでなく世界的に厳しい状況です。そのような現状で地域経済の柱を担う銀行の経済活動について、笠原頭取から率直に学べる今日の機会は学生の皆さんにとって大変有意義な時間となるでしょう」と挨拶。

 続いて笠原氏が銀行の3大業務である「預金業務」「為替業務」「融資業務」を解説後、肥後銀行の具体的な企業活動を紹介。2015年に肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合して誕生した(株)九州フィナンシャルグループについて「将来(日本が)大幅な人口減少に直面すると懸念される中で、経営の効率化を図る目的で統合、持株会社を作りました。健全な経営状態にある地方銀行同士が対等に統合している特殊なケース。その結果としてさまざまな金融ニーズに応えていくために、九州FG証券を設立しました。証券会社の設立にはそれなりの企業規模が必要で、肥後銀行、鹿児島銀行どちらも単体の企業規模では難しい。熊本・鹿児島でシェア1位を誇る2行が統合したことによって実現しました」と経営統合のメリットを挙げました。

 また、地方銀行の役割と取り組みについて「肥後銀行が地域機関としてめざしている事は、熊本の成長と県民の皆様の幸福度の最大化です。肥後銀行は、熊本県の指定金融機関として一歩前に出て、行政や民間と協力しながら、地域産業機能の発展に貢献していくことをスローガンにしています。お金だけではなく、実際の物流や商流にも積極的に関与して熊本県の発展をめざしています」と語り、水の保全活動(阿蘇の自然環境保全)や肥後銀行本店1階に開設した肥後の里山ギャラリー、熊本県観光振興会社くまもとDMCの設立、熊本PRを行うアンテナショップ「割烹櫓杏(ろあん)」香港出店など、金融業務の枠を超えた多彩な地域貢献活動について動画を交えながら紹介しました。

 「銀行の仕事は、金融を通じて日本や地域の経済・社会に貢献すること。社会貢献、地域貢献を実感できる仕事をしないといけない。また、業務を通してあらゆる預金者の方々、さまざまな業種に携わる方々と深く関わる仕事でもあります。お話をしながら、自らの成長を通し、勉強していく。自己成長を経験できる業種です」と銀行業務の魅力について語る笠原氏に、学生たちは熱心に耳を傾けました。

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