

教員
クマガクフォーカス KUMAGAKU
FOCUS
外国語習得研究という
フロンティア
外国語学部
坂田 直樹准教授
Sakata Naoki
熊本県出身。2021年に外国語学部に着任。
専門は心理言語学、応用言語学。
担当科目は英語科教育法。
外国語学習の王道は
存在するか
外国語を習得することは、誰にとっても可能なものなのでしょうか。そもそも、外国語習得に、正しい方法はあるのでしょうか。私が従事している応用言語学(英語教育学)の分野では、外国語を習得することについてさまざまな研究がなされていますが、実はまだ世界中で試行錯誤がなされていて、確定的に良い方法は、今もなお見つかっていないようです。また、母語と違って外国語は必ず全ての人に必要というわけでもないため、様相はより複雑です。
英語学習方法改善のススメ
一方で、この分野の知見で、いろいろと有益な方法が見つかっています。例えば、私の主要な研究分野である語彙習得研究では単語の分類が進んでおり、英語の使用により有効な、New General Service List (Browne, 2013)や、新JACET8000(大学英語教育学会基本語改訂特別委員会,2016)といった英単語のリストが複数誕生しています。一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、実証研究に基づいたリストを使えば、より効率的な英語学習が可能です。時間が限られる学生(と受験生)の皆さんには、このようなリソースを使いながら、より効率の良い方法で、英語学習の目標を実現することをお勧めします。
外国語習得研究への誘い
外国語習得研究の手法はさまざまありますが、私自身は、母語や外国語、そして、教材のなかで使用されている英語を分析する方法と、学習者がこれまで修得してきた言語情報を分析する方法を組み合わせて研究をしています。数値データをとって統計分析にかけることで、新たな知見を得るというプロセスですが、今までどこにも見つかっていないような発見があった時には、この上ない感動を得ることができます。この研究分野の醍醐味は、まだ解が分かっていないフロンティアを、楽しみながら進んでいくことができることかもしれません。
(2023年1月取材)

樋口 拓真さん
英米学科3年
必由館高等学校出身
坂田先生の講義はココがおもしろい!
坂田ゼミではプログラミングソフトを使って英語に関する心理実験を行い、その分析や考察を小論文にまとめます。私は「unー」などの接頭辞がどのような色のイメージを持つのかについて実験・分析を行いました。坂田先生は学生の考えを尊重しながらアドバイスをくださいます。ゼミでの学びを通して英単語に関する考え方の多様性を学び、将来英語教師をめざすうえで、いろいろなアプローチの必要性を感じることができました。
私の学問を支える名脇役

iPad
写真左が、10代目のiPad mini、右が11代目のiPad Proです。10年ほどiPadを使っていますが、今では切っても切れない大切な相棒です。もし失くしてしまったら、仕事が確実に1カ月は遅れますね(笑)
私が学問を志した頃

研究生活の原点
まだ進路を迷っていた20代の頃、本学の大学院修士課程の門を叩きました。写真は、修了記念パーティーにて。この14年後に、教員としてキャンパスに戻ってくることができるとは、思ってもみませんでした。

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