一般財団法人熊本県起業化支援センターが主催する「学生発ベンチャー・夢挑戦ビジネス大賞2015 in くまもと」にて、経済学部経済学科3年の寺西興晃さんが提案した「ARを活用した熊本県全域の観光開発と地方創生」が奨励賞を受賞しました。
寺西さんが提案したのは、AR(Augmented Reality:拡張現実)と呼ばれる技術を使って、市町村単位で観光スポットなどの紹介動画を制作し、広報誌や旅行パンフレットに掲載するというもの。トリガーとなる画像をスマートフォンやタブレットで読みこめば、観光地の詳細やPR動画が再生されるしくみです。「動画は全国に発信し、ホームページとの連動や、視聴によるクーポン配布、ウェアラブル端末への採用など、より多くの人が目に触れ、楽しみながら地方の魅力を再発見できるビジネスです」と寺西さん。提案では、2018年に国内のARを活用した製品・サービスの市場が、2013年比4.3倍の2,820億円にもなると言われている今後の展望に触れ、「5年後の東京五輪に向けて熊本を最大限にアピールしたい」としていました。11月に行われた書類審査を通過し、12月のプレゼンテーション審査を経て奨励賞を獲得しました。
1月8日(金)に熊本県庁で行われた授賞式では、蒲島郁夫知事から受賞者に表彰状が手渡されました。蒲島知事は、「今回は意欲的で創造あふれる過去最高の38点もの応募があった。若者の視点で夢がたくさん詰まったビジネスプランの中でも、特に皆さんの案は新規性、実現性などにおいて優れており、大変素晴らしい。新たなアイディアから、熊本の新たな産業、企業が生まれることを大いに期待しています」と、受賞者にエールを送りました。表彰後の歓談の際には、知事からARの利点や具体的な活用用途について質問があり、寺西さんが地方の先行事例を交えながら、プランの魅力について説明する場面もありました。
後日、経済学部長室で行われた受賞報告では、細江学部長が「ゼミや地域の方々とのつながりから新たなネットワークが生まれ、自身の学びにいかされていて嬉しい。これを機にさらにステップアップし、活躍の幅を広げてください」との激励の言葉をかけました。
これまで、菊池市と連携して実現した、菊池温泉周辺の「菊池遺産散策マップ」のAR化や、山鹿市にある県立装飾古墳館のフットパスの紹介動画の作成などに主体的に関わってきた寺西さん。「地域住民だけでなく、外部に発信できてこそ意味がある。県全域の底上げにつながる提案がしたかった。今後もICT技術を学ぶだけでなく、それらを応用した戦略やプランニングができるような人になりたいです」と笑顔で話しました。 |