

教員
クマガクフォーカス KUMAGAKU
FOCUS
子ども、土、水、太陽、保育者
社会福祉学部
二子石 諒太講師
Futagoishi Ryota
熊本県出身。2022年に本学社会福祉学部に着任。
専門分野は保育学、保育領域「環境」、保育実践研究
担当科目は、幼児と環境、教育実習Ⅰ・Ⅱなど。
子どもたちの世界のおもしろさに触れて
元々幼稚園教諭をめざしており、大学時代は教育学(幼児教育学)を学びました。大学の授業で先生たちから語られる保育・幼児教育理論の奥深さ、実習で出会った子どもたちの可笑しく微笑ましい行動、ハッとするような真剣な目つきや手さばき、ふと発せられる本質を突いたような言葉…。子どもという存在や子どもの世界に魅せられ、「研究してみたい」という思いが込み上げてきました。そのまま大学院に進学し、修了後2年間の幼稚園現場での勤務を経て、現在は子どもと環境(主に自然分野)を専門として養成教育と研究をしています。
子ども×環境
幼児期の子どもの生活・暮らしは、周囲の環境との密接な相互関係のうえに成り立っています。環境とは、人的環境と物的環境、または自然環境と社会環境というように捉えることができます。私はそのなかでも自然環境の視点から、子どもにとって楽しく、安心・安全で、魅力的な自然環境や自然遊びの内容と方法について探究しています。現代の子どもたちの自然体験の減少は指摘されて久しいですが、これからの時代の保育実践としての自然遊びや飼育・栽培活動の在り方を模索しています。
子どもの傍らにある保育者にこそ
センス・オブ・ワンダーを
“センス・オブ・ワンダー”とは、アメリカの海洋生物学者であるレイチェル・カーソンが提唱した「不思議なものや神秘的なものに目を瞠る感性」のことです。レイチェルは、子ども時代に誰しもが持っていたこの感性は、大人になるにつれ残念ながら徐々に失われてしまうと言います。しかし、保育のなかで子どもとともに過ごし自然に触れていると、ふとこのような感性や感情が湧き上がる瞬間がしばしばあります。レイチェルは、子どもの驚きや喜びを共有・共感する大人の存在の重要性を強調しており、これはまさに保育者のことを指します。どうすれば保育者や親といった大人たちが自然に親しむことができるのか、ということも私の大きな研究上の関心と課題になっています。
(2025年3月取材)

上村 桜佳さん
子ども家庭福祉学科4年
熊本県/千原台高校出身
二子石先生の講義はココがおもしろい!
二子石先生は、保育の五領域の「環境」の授業を担当されている先生で、「幼児と環境」では、物的・人的環境を通じて子どもの遊びや生活に配慮する保育者の役割を学びました。キャンパス内でのかくれんぼや自然観察ビンゴなど、子どもの気持ちに寄り添う実践的な活動が印象的です。苦手だった虫や、自然にも興味を持つことができ、子どもの関心に応えられる保育者をめざすきっかけになりました。先生の指導のおかげで、実習も安心して取り組めました。
私の学問を支える名脇役

大学時代の恩師からいただいた絵本『おおきな木』
大学卒業時に指導教官(師匠)が贈ってくださった絵本です。ページをめくるたびに、研究者を志したときの思いや、教えていただいた言葉が呼び起こされます。また、父親としての立場、保育学生を育てる教育者としての立場から読んでみても、大切なことが描かれているような気がしています。
先生のもう一面

光る泥団子
憧れの保育学研究者である加用文男さんの影響を受け、私も数年ほど前から泥団子作りを始めました。幼児期の子どもたちは夢中になって泥団子を作ります。きっと大人も、一度作り始めると、途端に遊び心を取り戻し夢中になると思います。材料は普通の砂と水のみで、写真右の泥団子はこれまでの最高傑作です。

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