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フォトジャーナリストの安田菜津紀氏が講演・第25期DOがくもん第3回講演会

 公開講座第25期DOがくもん(熊本学園大学・熊本日日新聞社主催)第3回講演会が、12月2日(土)、本学14号館高橋守雄記念ホールで開催され、フォトジャーナリストの安田菜津紀氏が「写真で伝える、世界と東北の今」をテーマに講演。220名が聴講しました。

 安田氏は、16歳の時に「国境なき子どもたち」友情のレポーターとして、カンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。これをきっかけに活動を開始し、現在は東南アジア、中東、アフリカなど世界各地で貧困や災害の取材を行っています。
 講演の冒頭で、安田氏は「熊本は写真展や講演会で学生時代から縁が深い場所」と話し、熊本地震の発生後に訪れた益城町や南阿蘇で感じた想いを写真とともに紹介しました。

 2011年の東日本大震災発生当時、海外で取材活動を行っていた安田氏は、義理の両親が住む岩手県陸前高田市が"壊滅”との報せを受けます。
 同市の病院で医師として患者の救助にあたった義父は助かったものの、義母は津波にのまれて亡くなりました。
 大災害を前に「自分がどれだけシャッターを切っても、瓦礫は動かせない。どれだけ写真を撮っても、被災した人の空腹は満たされない」と無力感にさいなまれていたとき、津波になぎ倒された高田松原に1本だけ残った「奇跡の一本松」に出会い、夢中で撮った写真を義父に見せました。すると義父は「毎日あの松原と暮らしてきた自分たちにとって、7万本あった松が1本しか残らなかったことは津波の威力を象徴するものでしかない。できれば見たくない」と厳しい言葉をつきつけました。その時に至って、「自分は誰にとっての希望の写真を撮りたかったのか」と、人の声に耳を傾けられていなかったことに気づかされたと語りました。
 その後も、東北で取材を続ける安田氏は、震災の年に宮城県気仙小学校に入学した、2人の1年生に出会います。
 2人を取り巻く人たちが成長を見守り、支える姿に接し、「子どもが成長するにはいろいろなものが必要で、誰かが一人で全てを担うことはできない。でも、一人ひとりがちょっとずつ役割を果たすだけで、みんなの希望を取り戻すことにつながっていく」と感じ、現在も2人の成長を通して被災地のことを伝え続けているといいます。

 次いで、海外では内乱が続くシリアでの取材活動を紹介。
 学生時代から足を運んだというシリアは「内戦がはじまる前は治安が安定していて、美しく世界から観光客が集まってくるところだった」と振り返りました。2011年に大規模な内戦が起きると、人口の約半数が難民となり、現在では1200万人が国内外で避難生活を送っています。
 安田氏は、難民として暮らす人々に接し、失われていく小さな命を前にしたとき、人の命を直接救えもしない「写真」を自分の仕事に選んだ意味・価値を考えさせられたといいます。その時、現地のNGO職員の方からかけられた「これは役割分担なんだ。あなたはここに通い続けることができる。この現状を写真で世界に伝え続けることができるでしょう」という言葉。これは、東北で2人の1年生から教えてもらったことにも似ていて、今も大切にしていることだと語りました。
 最後に、「私たちはこれからどんな役割を持ち寄れるのか、みなさんにも考えていただけたらと思う。私は写真と取材活動を通して、その役割を分かち合いたい」と話し、講演を締めくくりました。

地域   2017/12/02   広報室

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