高大連携事業の一環で大分南高等学校の2年生が来学しました

大学

2024.07.23

 大分県立大分南高等学校福祉科の2年生73名が7月1日(月)、高大連携事業の一環で本学を訪れました。これは今後の進路志望の決定に必要な進路情報を獲得するために、大学を訪問し、施設見学などを行うことで進路決定への意識を涵養することを目的として行われたもの。同校福祉科は2018年~2020年に文部科学省「スーパー・プロフェッショナル ・ハイスクール(SPH)」に指定され、3年間を通して福祉の専門科目を学んでいます。また、社会福祉学部の黒木教授(専門:ソーシャルワーク論)は同校において3年間の福祉学習のサポートも行っています。

 はじめに、14号館1階の高橋守雄記念ホールで「インクルーシブな避難所運営~熊本学園大学避難所の事例報告~」というテーマで黒木教授より講話がありました。「同ホールは車いすの方が集会をできるように設計されており、コンサートホールのように座席は固定ではなく、可動式で収納可能になっています。「この設備があったことから熊本地震発生時はしょうがいのある方にも対応できるインクルーシブな避難所の運営ができた」と黒木教授は話しました。また、熊本地震の被害で校舎に亀裂が入り、建て直しが必要になった場所も紹介。昼食会場となる7号館学食までの間、講話のなかで紹介された校舎の場所の現状を黒木ゼミの学生が解説しながら移動しました。

 昼食後、「新1号館 みらい」132教室で「当事者視点学習ゲーム」という演習が行われました。これは、6人が1グループとなり、「避難行動支援者」と呼ばれる災害時に自力では避難が難しい方について、自分事としてストーリーを体験することで理解を深めてもらうもの。ゲームを終えた女子高校生は「実際に当事者になったらこんな風には動けず、どうしたらいいか分からなくなるだろうなと感じました。災害についてはあまり知識がなかったので、ゲームを通してとても楽しく学ぶことができました」と感想を述べました。

 その後、黒木教授はスライドを使って災害時の本学避難所の運営やボランティア活動について講義を行いました。避難所運営では避難してきた方々(特に女性や子ども、要支援の方)を守る必要があることや、運営側の都合には合わせたくても合わせることが難しい方がいること、日常の生活に戻れるように支援をする必要があることなど、当事者視点を忘れない運営が必要であると述べられ、高校生たちは終始メモを取りながら、話に耳を傾けていました。講義終了後、大分南高校の代表よりお礼の言葉が述べられました。

 高校生の案内役やゲームのサポートを務めた香月彩乃さん(社会福祉学科4年)は「教えるというのは想定していたよりも難しかった。高校生が喜んでくれてよかった」と感想を語りました。

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