韓国の順天郷大学校と教育交流会を行いました

イベント

2025.01.21

 12月16日(月)から17日(火)まで、本学(KGU)社会福祉学部との学部間交流協定校である韓国の順天郷大学校(SCH)研修団計19名(学生16名 教員2名、通訳兼コーディネーター1名)が来学し、教育交流を行いました。今回の来学は、9月に「海外フィールドワーク」の授業にて本学から社会福祉学部の学生や教員計9名が韓国牙山市にある順天郷大学校訪問と対になって行われたもの。

 17日は、本学と順天郷大学校生による両国の福祉事情に関する8つのテーマについて研究発表会を行いました。ライフ・ウェルネス学科藤塚千秋教授の3年ゼミ生の後藤龍我さんと東山光さんは、「『力士短命』に関する文献的検討-日本の国技、相撲を守るために-」をテーマに発表を行いました。発表では、力士が競技で勝つために体重を増加させる必要があり、その結果として過体重や生活習慣が死亡率に与える影響について文献研究した内容を報告。調査対象は、1898年から1991年に入幕した664名の力士であり、特にBMIが高い力士は死亡率や疾病罹患率が高いことが示されました。また、35〜74歳の年齢層では死亡率が高いことが明らかになった一方で、1955年以降に入幕した力士については、医療技術の進歩や健康管理意識の向上により死亡率が低下している可能性にも着目しました。これらの結果を踏まえ、現役時および引退後の健康管理や過度な体重変動を防ぐ重要性について考察が行われました。

 順天郷大学校のチュ・ミオクさん(SCH1年)は、韓国における「祖孫家庭」について発表しました。発表では、女性の経済活動への参加の増加に伴い、共働き夫婦の増加や離婚率の上昇が背景となり、祖父母が孫を養育する「祖孫家庭」が増加している現状が報告されました。また、こうした家庭が直面する経済的困難や祖父母の健康悪化に伴う医療費負担の増加、さらに社会的支援体制の不足といった課題についても言及し、今後の対策や支援の必要性を示しました。

 発表会終了後は、本学の藤本延啓教授(KGU)および順天郷大学のイ・レヒョウ教授(SCH)から講評が行われました。学生たちは講評を受けて新たな気づきを得るとともに、今後の学習に対する意欲を一層高める貴重な機会となりました。

研究報告のタイトルは以下の通り。

  • 児童対象のメディアコンテンツの中の性の固定観念(SCH)
  • 『力士短命』に関する文献的検討-日本の国技、相撲を守るために-(KGU)
  • 韓国の祖孫家庭についてー映画「A Little Princess」を通じて(SCH)
  • 公立夜間中学校の役割と課題-学びのサポーターの経験を踏まえて-(KGU)
  • シェアレンティングーと子供の人権(SCH)
  • 学生が運営する子ども食堂の取り組み-ふるさと元気子ども食堂の活動から-(KGU)
  • 青少年のサイバーブリングの現況と対応策の研究(SCH)
  • 生徒が抱えるブラック部活動の問題点(KGU)

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