黒木邦弘ゼミが慈恵病院および熊本乳児院を訪問し、フィールドワークを行いました

学び

2025.06.24

 6月14日(土)、ソーシャルワークを専門とする黒木邦弘教授のゼミ生が、慈恵病院(熊本市西区)および熊本乳児院(熊本市中央区)を訪問し、フィールドワークを実施しました。

 はじめに訪れた慈恵病院では、病院の歩みや理念、「こうのとりのゆりかご(通称:赤ちゃんポスト)」開設に至る経緯について学びました。特に、女性や子どもの福祉に関する課題や支援の現状について、社会的背景を交えて深く考える機会となりました。当日は、ソーシャルワーカーの提案により、学生たちは赤ちゃんポストの利用を想定した体験も行いました。人形を用い、扉を開け、手紙を受け取り、赤ちゃんを専用ベッドに寝かせ、扉を閉めるという体験をとおして、命を預かる支援の重みを実感しました。

 続いて訪問した熊本乳児院では、乳児院をはじめ、児童家庭支援センター、里親支援など、さまざまな児童福祉関連事業についての説明を受け、学生との間で活発な意見交換が行われました。施設見学では、過去に起きた不適切なケアへの反省をふまえた信頼回復の取り組みについても紹介。また、乳児院に附設された熊本市児童家庭支援センター アグリでは、愛着形成を重視した支援の視点や、熊本県の里親支援の現状などについて理解を深めました。

 今回のフィールドワークを通じて、学生たちは福祉の現場で求められる実践的な視点と、制度の背後にある社会課題への理解を深める貴重な学びの機会を得ました。

 ゼミ生の一人は、「実際に『ゆりかご』に赤ちゃんを預ける経験ができたことは、私自身の考えの幅を広げるきっかけとなりました。幸せと感じる瞬間は人それぞれであり、そのなかでその人にとって最善となる支援を提供することが必要です。そのためには、今回『ゆりかご』に赤ちゃんを預ける母親の気持ちを想像したように、さまざまな考えに触れて、さまざまな人と関わる経験が大切だと感じました」と感想を述べました。

 また、「私が一番関心を持ったのは『にんしんSOS熊本』についてです。正直、この事業のことを知らなかったため『こんな事業もやっているんだ』と驚きました。お話を聞いているなかで、孤立感や困窮などの課題を抱えている相談者には、心理的なサポートや行政サービスへの橋渡しがとても重要になってくるということを実感しました」といった声もありました。

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