商学部「地域とスポーツビジネス」で熊本バスケットボール株式会社代表取締役社長の湯之上聡氏がゲスト講義
2024.12.17
12月10日(火)、商学部の「地域とスポーツビジネス」(担当:池上恭子教授、角田幸太郎非常勤講師)で、プロバスケットボールチーム「熊本ヴォルターズ」を運営する熊本バスケットボール株式会社代表取締役社長の湯之上聡氏がゲスト講義に登壇し、31名の学生が受講しました。本講義は、プロスポーツチームの運営に関する知識を学び、地方のクラブチームが抱える課題を解決し、チームの発展とともに地域の活性化につなげていくことを目標としています。
はじめに、湯之上氏は「今まで、バスケットを通して多くの素晴らしい出逢いがあった。人に感謝することの大切さを学んだ」と述べ、『出逢い』をキーワードに、これまでの活動や自身の成長について紹介。また、「熊本にプロバスケットチームを作ると周りに宣言した際、口をそろえて『絶対に無理だ』と言われた。しかし、目標に向かって突き進むことで夢は叶った」と述べ、クラブチームを立ち上げるにあたっての苦労や、夢や目標を諦めない大切さを伝えました。一方で、経営難や震災の影響でクラブチームが存続の危機に立たされたときを振り返り、湯之上氏は「地元である益城町に恩返しをする気持ちで、地域に根ざした活動に取り組み、『子どもたちに夢を』『熊本に感動を』『人と人の繋がりを』という同クラブチームの想いを再認識することで、苦境を乗り越えることができた」と語りました。
また、湯之上氏は早稲田大学大学院スポーツ科学研究科でスポーツビジネスを学び、「小規模都市におけるクラブ経営戦略の実態」という研究テーマに取り組んだことについて言及。湯之上氏は「成功した小規模クラブチームの特徴を分析した結果、経営者が創立時に集客に力を入れた経営戦略を取り、チーム内のマネジメントをしっかり行っているということが分かった。地域のスポーツクラブ経営は都会とは違い、資本力がないと厳しい。だからこそ新しい事業によって利益を作り、地域を活性化させることが大切」と述べ、地域のスポーツビジネスの実態や経営戦略について解説しました。
最後に、湯之上氏は「『吐』という漢字を分解すると『口』と『+(プラス)』『-(マイナス)』になる。不満を口にするよりも、プラスのことを言い続けることによって夢は叶う。ぼんやりとでもいいので夢を描き、まずは行動してみてほしい。そして、今あるすべての事に感謝の気持ちを持つことを忘れないでほしい」と学生にエールを送り、講義を締めくくりました。
受講した学生は「湯之上氏は元々学校の教員、バスケットボールの顧問をしながら、現場で感じたことをきっかけにアメリカへ行き、自身の留学経験を自分だけの経験で終わらせるのではなく、子供たちや地域のためにという思いで活動されていることに感銘を受けた。私も熊本ヴォルターズのように、困難の先にある希望を信じて前進する人生を歩んでいきたい」と講義の感想を語りました。