商学科足立ゼミ「価値共創プロジェクト」の最終報告会が行われました
2025.02.21
2月10日(月)、足立裕介准教授(専門:中小企業論)の3年ゼミ(応用演習I)生18名による、ベンチャー企業4社と連携した「価値共創プロジェクト」の最終報告会が「びぷれすイノベーションスタジオ」で開催されました。本プロジェクトは、ベンチャー企業を積極的に支援する株式会社熊本日日新聞社の協力のもと、学生たちが企業活動に直接関与し、企業が抱える課題を理解したうえで、新たな視点や価値を共に創出することを目的としています。
この日行われた最終報告会では、ゼミ生4グループが県内ベンチャー企業4社の経営課題に対し、企業とともに試行錯誤を重ねながら取り組んだプロセスや、共創によって生み出した新たな価値について報告しました。発表には、連携ベンチャー企業4社に加え、XOSS POINT(クロスポイント)*施設長の上平健太氏と、日本政策金融公庫熊本支店国民生活事業筆頭副事業統轄の北田貴司氏がコメンテーターとして参加し、学生の発表に対する評価や助言を行いました。
はじめに、株式会社サーモンテックの課題解決チームは、骨盤底筋トレーニングデバイスを活用した尿漏れ改善サービスを提案。ペルソナ設定をもとに、個別カウンセリングや効果測定、デバイス貸し出しを含むセールスプロセスを発表しました。次に、株式会社MICHIRUの課題解決チームは、RPA*の認知度向上と操作できる人材不足という課題に対し、ゲーミフィケーション*を活用した体験型イベントを提案。参加者がRPAツールを操作しながら謎解きを行い、学びとエンターテインメントを融合させることで、楽しみながらRPAの利便性を実感できる仕組みを発表しました。続いて、ソーシャルアップス株式会社の課題解決チームは、スタートアップ支援や起業家育成事業の普及に向け、小中学生向けの起業家教育プログラムを提案。短期的にはイベントを通じた意識改革、中期的には少人数での試行、長期的には持続可能な教育プログラムの構築を目指した内容を発表しました。最後に、株式会社城野印刷所の課題解決チームは、新規事業「就活応援くまもと」のアクティブユーザー増加に向け、名刺交換会を企画・実施。実測データを基に改善を重ね、効果的な運営方法について発表しました。
連携企業からは「柔軟な発想による提案で、新たな気づきを得られた」「実施したイベントでは目標数値を達成し、参加企業からも好評だった」など、それぞれの提案に対し高い評価が寄せられました。総括として、コメンテーターからは「プランを考案するだけでなく、実際にイベントを実施したり、提案をしに出向いたりと、行動に移している点が素晴らしく、解像度の高い発表だった」「会社で働くという経験を一足先にできたのは貴重な体験。それを今後にいかしてほしい」との講評がありました。
学生たちも活動を振り返り、「企業訪問やイベントを通じて貴重な経験ができ、仲間や企業と協力する大切さを実感した」「試行錯誤を重ねながら提案を磨き上げ、多くの学びを得ることができた」など、それぞれの成長を実感していました。
*XOSS POINT…熊本市が運営する起業家等の発掘・育成に取り組むスタートアップ支援施設
*RPA…ソフトウェアロボットによる業務自動化を実現するツール
*ゲーミフィケーション…ゲームデザイン要素やゲームの原則をゲーム以外の物事に応用する取り組み