原発災害下でのしょうがい者の実態を学ぶ

社会福祉学部

2013.12.29

 本学社会福祉学部の減災型地域社会リーダー養成プロジェクトの一環として、12月7日(土)の午前中、本学11号館において、特別講演「逃げ遅れる人々―福島県南相馬市の障害者の今を語る」が行われました。

 講師の青田由幸さんは、特定非営利活動法人「さぽーとセンターぴあ」の代表理事であり、福島県南相馬市のしょうがい児・者の地域生活支援に携わっておられます。

 青田さんの障害者支援事業所は、福島第一原発から25㎞のところにあり、3月11日、地震に続く津波がすぐ近くまで押し寄せてきました。原発建屋が次々と爆発したのち、青田さん、施設長と職員が事業所に残り、安否確認や退避の準備等に当たられました。その過程で災害がしょうがい者にどのような影響を与えるかを体験されました。

 その経験から講演では、避難指示が出され市民はバスに乗るように言われたが、しょうがい者は逃げるに逃げられなかった。また、一般の避難所はしょうがい者にとって利用できなかった。そこで、今後は福祉避難所を行政の防災計画などにしっかりと位置づけて、いざというときに身近な地域にしょうがい者も避難できる場所をたくさんつくってほしいと訴えられました。最後に、ボランティアでなくとも、一度、福島に足を運んで、実際の状況を見てほしいと語られました。

 学生からは、「講演が心に響きました」という感極まった様子の感想もありました。来年度は、社会福祉学部の「減災ソーシャルワーク演習Ⅱ」において、学生10人ほどが南相馬市でフィールドワークを行う計画です。

(文責:高林秀明)

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