熊本第一信用金庫の荒尾氏が銀行論Ⅱでゲスト講義

2018.01.11

 

 12月20日(水)、商学部・坂本正教授の銀行論Ⅱで、熊本第一信用金庫審査部長の荒尾俊比古氏が、「熊本第一信用金庫の融資戦略-事業性、消費性融資についての取組み」をテーマにゲスト講義を行い、学生約120名が聴講しました。

 荒尾氏は「銀行と信用金庫の違いは、信用金庫が株式会社ではなく、会員の相互扶助を目的とした協同組織金融機関であること。全国に264金庫あり、地域の中小企業者や小規模事業者との関わりが深い地域密着型金融です。平成28年熊本地震の際には、震災対応融資に加え、88社24億円の中小企業等グループ補助金申請支援を行っている」と紹介しました。同補助金は地震被害の3/4を国が補助する制度。荒尾氏は「行政に補助金を申請するには多くの書類が必要で、私たちが事業者に代わり申請書類を作ることで、企業に体力がある早い時期に対応することができた。補助金の交付が遅れていれば、存続を諦めていた企業もあったはず」と当時の様子を振り返りました。

 坂本正教授は、「金融機関が速やかにグループ作りを行って申請支援を行わなければ、熊本の震災復興はうまくいかなかった」としたうえで、「今はどの金融機関もマイナス金利で厳しく、預金を貸し付けるだけでいい時代ではない。地域の金融機関が地域の産業を復興させるにはお金を貸し、経営を支援して、将来のビジョンを示すことが大事。同金庫が行っているロアッソ熊本支援や阿蘇の草原再生支援の事例のように、今や地域貢献・地域活性化は、業務で得た利益を還元する次元ではなく、行政を巻き込んで地域おこしをする時代。その範囲は格段に広がっている」と、地域経済を支える地域金融機関の果たす役割について総括しました。

 

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