卒業生の西村友作さんが中国で大学教授に任命されました

大学

2018.03.06

 本学経済学部出身で、2010年から中国の対外経済貿易大学で教鞭を執る西村友作さんが、同大学で初の外国人教授に任命されました。
 同大学は、経済系で中国トップクラスの教育・研究実績を誇る北京の名門。西村さんの専門は中国経済・金融で、中国で外国人が母国の言語・文化に依らない分野の教授に任命されるのは極めて異例のことです。

 西村さんは、1993年に本学経済学部経済学科に入学。3年生の夏休み、短期留学で訪れた中国・広東省深圳市の活気あふれる姿に魅せられ、長期留学を決意。「中国で博士号を取得して、大学教授になる」という目標を掲げて邁進しました。
 卒業後は国内企業勤務で社会経験を積み、退社後の2002年から対外経済貿易大学に留学。博士課程在籍中の論文発表数、学会報告数は、中国人を含む同学年で最多。中国教育部が主催する全国博士生学術論壇では、外国人初の優秀論文2等賞を受賞して注目を集めました。こうした業績が認められ、博士課程終了後は同大国際経済研究院講師に採用。2013年に副教授を経て、2018年1月に教授昇格を実現しました。

 また、西村さんは大学で教鞭を執る傍ら、日本銀行北京事務所の研究員としての活動、日経ビジネス などメディアでのコラム執筆、企業や学生を対象とした講演など、日本向けの情報発信を積極的に行っています。

 本業以外でも、北京市在住の県出身者や熊本ファンでつくる「北京熊本県人会」の会長を務め、同じ熊本出身者である小山薫堂さんの講演会やくまモン交流会を開催するなど、故郷熊本の中国での認知度向上、発展にも力を注いでいます。

 母校の発展と、後輩たちの活躍に心を寄せて、西村さんからメッセージをいただきました。

西村 友作 対外経済貿易大学 教授 からのメッセージ

「10年後、20年後、30年後の自分が見えていますか?」
 この質問にはっきりと答える事ができる学生は少ないと思います。私も大学入学当初は特に明確なビジョンも無く、なんとなく学生生活を過ごしていました。
 そんな私の人生の転機となったのが、大学主催の中国深圳短期留学。その最初の留学で見つけた「中国」、休学して挑んだ二度目の北京留学で見つけた「教育」というキーワードから、「中国で大学教授を目指す」という大きな目標を見つけることができたのです。
 この目標は20年の歳月を経てようやく実現しました。異国の地でここまで何とか辿り着けたのも、明確な目標があったからだと思います。

 「Chance favors the prepared mind(チャンスは備えある者に訪れる)」―仏細菌学者ルイ・パスツール

 チャンスはある日突然やってきます。それを掴み取とれるかどうかは、目標を明確にし、それに向けて準備を怠らない事。
 私は大学主催の短期留学がきっかけとなり人生の大きな目標に出会いました。みなさんも是非、大学が提供する様々なプログラムに積極的に参加し、「10年後の自分」を探してみてください。

 

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