第27期DOがくもん第3回講演会が開催されました(人工知能研究者 黒川伊保子氏)

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2019.12.07

 本学と熊本日日新聞社が共催する公開講座第27期「DOがくもん」第3回講演会が12月7日(土)、14号館高橋守雄記念ホールで開催されました。

 人工知能研究者、株式会社感性リサーチ代表取締役社長の黒川伊保子氏が「夫婦のトリセツ~脳科学から見える男心と女心の違い~」と題して講演。約490名が聴講しました。黒川氏は奈良女子大学を卒業後、人工知能(AI)エンジニアとして就職。1991年4月に「日本語対話型女性AI」を開発。AIを開発していくなかで、「男女の脳のとっさの使い方の違い」に気付いたといいます。

 「対話には、気持ちの流れを語る『心の文脈』と事実を確かめる『事実の文脈』の2種類があり、心の文脈には共感とねぎらいが、事実の文脈には合理的な結論が必要。人はどちらの文脈も使いますが、この2種類がすれ違いを起こすのです」と話し始めました。

 男と女の脳に違いはないと黒川氏は断言します。「脳には、同時に使えない機能が混在していて、心文脈と事実文脈も混ぜて使うことができません。脳が緊張すると男性は危険を避けようとし、女性は共感しようと、脳がとっさに分かれます。これがお互いを混乱させるのです」「人は感性に洗脳されていて、躊躇なく自分の感性に従います。女性はおしゃべりでストレスを解消しますが、男性にとっておしゃべりはストレスになるということです。この感性の呪縛を乗り越えないと男女は分かり合えません。物の見方が違うのだから、分かり合えなくてもいいと思いますが、操縦方法は知っておきましょう」と男女の会話の違いなどエピソードを交えながら説明すると、会場からは合点がいったような笑いが起きました。

 最後に「男女は、人生に必要な感性を2つに分けて脳に搭載されたペアの装置です。イラっとしたり、ムカッとしたりすることでお互いを補完し、最高のパフォーマンスを行えるのです」と締めくくりました。

 講演終了後に会場から、黒川氏執筆の書籍『妻のトリセツ』を自身の結婚式の引き出物にしたという女性からお礼の言葉が述べられると、黒川氏も出版社からそのことを聞いて大喜びしたこと、今日この場で会えたことを嬉しく思うと笑顔で語りました。

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