水俣学研究センター第17期公開講座「コロナ禍との闘い ウイルスとの共生」が開催されました

地域

2020.11.04

 10月27日(火)に行われた5回目の講義では、「新型コロナウイルス感染症と日々の暮らし」をテーマに、4名の水俣市民が登壇し、コロナ禍でのそれぞれの生活の様子を語りました。

 水俣市の民生委員を務める永野隆文氏は「民生委員は人と接することが仕事」と前置きしたうえで、「対面で会うことをなるべく避けるように国から通達があり、活動の根本が揺らぐ事態となった」と活動への苦悩を語りました。はつの・あそびの森こども園の田中健太郎園長は「乳幼児期には親密な関係性が必要。マスクをしながらの対応では表情が見えず、子どもたちの成長に影響を及ぼす」とマスクを着用しての保育に警鐘を鳴らしました。

 一方で、愛誠堂みつば調剤薬局の永里寿敏取締役副社長は新型コロナに対する過剰な恐怖心に対し疑問を投げかけ、「テレビで放送される内容はエンターテイメント性が強い。正確な情報を自分で調べて、自分で考えて答えを出して行動する必要がある」と述べました。

 介護支援専門員の近澤壽子氏は、新型コロナで介護サービスの利用が減っていることや会いたい人に会えないことを例に、「人の生活や感情が新型コロナによって奪われることはあってはならない」と想いを語りました。

 最後に、コーディネーターを務めた社会福祉学部宮北隆志教授(専門:衛生・公衆衛生学)が「23品目のごみの分別、ふれあい活動員による日常的な見守り・声かけなどの訪問活動といった独自の取り組みをしてきたのが水俣市。コロナ禍でも水俣に合った生活や取り組みを生み出してほしい」と締めくくり、講座は幕を閉じました。

 9月29日(火)に始まった水俣学研究センター主催の第17期公開講座「コロナ禍との闘い ウイルスとの共生~アフターコロナの生き方、社会のあり様を見据えて(全5回)」は、10月27日(火)で終了し、のべ176名が受講しました。

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