福祉環境学科「災害と社会」で熊本県危機管理防災課の三家本勝志氏が講演

学部

2020.10.30

 10月23日(金)、福祉環境学科「災害と社会」の授業で、熊本県危機管理防災課・危機管理防災企画監の三家本勝志氏による講演がありました。

 この科目は、水害や地震などの災害発生時にどのように情報を入手し行動すべきか、また、行政の対応や災害救護の現状などの基礎知識を学び、災害対応への考え方についてオムニバス形式で講義するものです。

 この日は、行政による危機管理と防災について学ぶ回で、県の担当者である三家本氏が熊本の気候・地形の特性から読み取れる地震や水害などの危険性について、国土地理院や気象庁のデータをもとに解説。令和2年7月豪雨については、行政の初動対応、地域別の被害状況に触れながら、人命救助に関する現状の課題と今後の方向性について私見を述べました。水防訓練については、台本のある「シナリオ型訓練」や、参加者に訓練状況を見せる「展示訓練」ではなく、シナリオなしで想定のみで実践的な訓練を行う「ブラインド型」の防災訓練の必要性を語りました。

 また、平成28年熊本地震の検証と教訓として、県が掲げ推進する「創造的復興」に向けた考え方である「原状復帰ではなく震災前よりさらに発展させようという視点」について、復旧・復興の進捗状況にも触れながら述べました。さらに、熊本地震に関連する資料を集めたデジタル・アーカイブを、今後の防災分野の研究等にも有効に活用してほしいと話しました。

 講演後は、受講生からは災害発生時の報道機関との連携体制や県、施設の避難所としての開放に関する質問があがり、教員からは情報公開や災害時の個別支援計画の周知の重要性などについての意見が活発に寄せられました。

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