「COVID-19クラスター防止策アイデアソン」が開催されました

地域

2020.12.18

 経済学部の境章教授(専門:情報科学)が代表を務める「Code for Kumamoto」と熊本託麻台リハビリテーション病院、境章研究室が主催する、「COVID-19クラスター防止策アイデアソン(※1)」が 12月16日(水)、web会議ツール(Zoom)で開催されました。

 Code for Kumamotoは、企業・行政・大学や市民が一緒にICTを活用した地域の課題解決やまちづくりなどの施策を考えていく団体(2019年6月結成)。新型コロナ流行以降は、感染症の動向をオープンデータを用いてグラフで可視化し、その情報は熊本県や熊本市のサイトでも公開されています。今回のアイデアソンは、医療現場・市民・大学関係者がオンライン上で集い、新型コロナ感染症防止対策に有効なWebアプリケーションやサービスのニーズを共有することを目的に企画されたもので、本学学生・教職員を含む約30名が参加しました。

 開会にあたり境教授は、「新型コロナも第三波を迎え感染が拡大している今、シビックテック(※2)の力で感染防止策を考え、ICTの技術をもって対策ツールなどを開発できないかを考えていきたい」と挨拶。最初に行われた熊本託麻台リハビリテーション病院の平田好文理事長の講話では、新型コロナの感染経路や濃厚接触者の定義、医療現場の現状について理解を深めました。また、同院が掲げる「クラスター防止に対する濃厚接触者ゼロ作戦」や、感染者の心のケア、誰もが互いに尊重し支えあう「共生社会」に向けた考え方を学びました。

 その後、アイデアインプットの時間として、Code for Kumamotoメンバーの櫻木誠氏(熊本ソフトウェア株式会社)から新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」の仕組みと同データ活用の可能性の紹介、愛知工業大学情報電子専門学校1年の坂井田逸斗氏から、同氏が開発した「3密チェッカー」の特徴とCOCOAとの違いなどが語られました。アウトプットの時間では、参加者同士で小さなグループ(ブレイクアウトルーム)に分かれ、講話やコロナ禍での日々の生活から着想を得た「こんなものがあったらいいのでは」というサービスやアプリケーションなどについて意見を出し合いました。ワークショップ後は、参加者が考えたアイデアをCode for Kumamotoの専用サイトに登録。アイデアは、共有財として今後の開発などに活用される予定です。

 参加した本学経済学科2年の日田光星さんは、「同年代の学生が開発したアプリの機能や計測の仕組みに驚いた。ワークショップでは、GPSを使って自宅などの地点を登録し、そこから移動・帰着するときにマスクの着用や手洗いうがいを促す通知やアナウンスが流れるアプリを提案した。自分で考えるだけではなく、人の意見を取り入れるとアイデアが膨らむと感じ、こういった機会はとても大切だと思う」と感想を述べました。


※1 アイデアソン:アイデアとマラソンをかけた造語で、アイデアを出し合い“続けて”まとめていく課題解決型のワークショップのこと

※2 シビックテック:シビック(Civic:市民)とテック(Tech:テクノロジー)をかけた造語。地域住民がICTを中心としたテクノロジーを活用し、行政サービスや社会の課題を解決する取り組みのこと

SHARE: