「福祉環境学入門」で水俣でのフィールドワークを実施

学部

2021.06.04

 5月15日(土)・16日(日)、福祉環境学科の初年次教育「福祉環境学入門」(担当:岡部造史教授、城野匡教授、陳宇澄教授、中地重晴教授、花田昌宣教授、井上ゆかり水俣学研究センター研究員)において、現地でのフィールドワークを通して水俣病問題への理解を深める水俣研修を実施しました。

 本科目は、座学とともにフィールドワークを組み合わせ、地域の暮らしや課題解決について学ぶ授業。水俣研修は、福祉環境学の観点から水俣病問題を理解することを目的に例年1泊2日で実施していますが、昨年から新型コロナウイルス感染拡大防止のため2日間に分けた日帰り研修を行っています。

 参加した計69名の学生たちは、ゼミごとに4つのグループに分かれて、水俣市立水俣病資料館や本学水俣学現地研究センター、水俣病の“爆心地”となった百間排水口、患者多発地区、無農薬の農産物の販売や石けんの製造を行う「企業組合エコネットみなまた」の工場などを見学。班ごとで研究テーマに沿った情報収集を行いました。

 研修のなかでは、水俣病患者の緒方博文氏から、国・熊本県・チッソを相手取った認定義務付け訴訟や、自身の水俣病の症状などについて話を伺う時間も設けられました。講演後、学生たちは「水俣病発生当時に差別があったと聞きましたが、現在状況は改善されていますか」、「社会問題を含めた調査・研究を行う”水俣学”を学ぶ私たちに何を期待しますか」など熱心に質問をしました。

 参加した城野ゼミの藤本陽花さんは「事前学習をして研修に臨んだが、実際に自分の目で見たことで、『水俣病は続いている』ということをより強く感じた。学んだことを研究テーマに落とし込み、問題を受け止めていきたい」と話しました。

 今後、学生たちは研修で学んだ内容について報告書を作成し、発表会を行う予定です。

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