福祉環境学科「福祉環境学入門」で学外車いす体験の全体報告会を行いました

学部

2021.07.08

 6月30日(水)、福祉環境学科の初年次教育「福祉環境学入門」(担当:岡部造史教授、城野匡教授、髙倉統一教授、陳宇澄教授、中地重晴教授、花田昌宣教授、東俊裕教授、堀正嗣教授、井上ゆかり水俣学研究センター研究員)における学外車いす体験の全体報告会を、431教室で行いました。

 本科目は、座学とフィールドワークを組み合わせ、地域の暮らしや課題解決について学ぶ授業。学外車いす体験学習は、利用者の目線で車いすの使い方や介助法を学び、しょうがい当事者にとっての障害(社会的障壁)をなくし共に生きる社会を作るためには何が必要なのかを学ぶものです。

 参加した岡部ゼミ、城野ゼミ、陳ゼミ、中地ゼミの1年生68名は、ゼミごとに熊本桜町バスターミナルや熊本市役所などに目的地を設定した4グループに分かれ、事前に公共交通機関を利用したルートを決定。学内で車いすを受け取り、くまもと障害者労働センターのしょうがい当事者や支援者のアドバイスを受けながら、介助する側と介助を受ける側、両方の立場で車いすを体験しました。

 報告会では各ゼミから代表で1グループが発表。「いつまでも自分の足で歩けるとは限らない。日頃から利用者の立場で考える必要がある」「超低床電車は運行数が少ない。移動の手段が制限されると差別を受けたように感じる」などの感想がありました。

 アドバイザーとして参加したしょうがい当事者の方々からは「利用者のことを考え、提言することで社会の意識が変わる」「利用者にとっては決して大変なことばかりではなく、介助者とのコミュニケーションが楽しいと感じることもある。これからも積極的に利用者に声かけをしてほしい」など学生にアドバイスが送られました。

 自身もしょうがい当事者である、第一部社会福祉学科の東俊裕教授(専門:障害者の人権)は「公共の施設はバリアフリーが整っているところが多いが、民間の施設は未だ整っていないところも多い。物理的な障壁は人が作ったもので、社会全体を変えればしょうがいに対する意識は変えられる。車いすの介助時は利用者本人の意思を大切にしてほしい」と話しました。

 司会を務めた福祉環境学科の堀正嗣教授(専門:障害学)は「車いすの大変さと、環境が生んだ大変さは違うということを理解してほしい。1年次に得たことから考察を深め、今後の4年間にいかしてほしい」と期待を述べました。

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