経済学科 境ゼミが「第2回オープンゼミ~産学官連携&技術交流」を開催

交流

2021.09.03

池辺寺周辺3Dマップ/岩﨑一樹さん(4年)
バーチャル池辺寺/大畑佑介さん(4年)
バーチャルキャンパス/市川翠さん(3年)

 8月28日(土)、経済学科 境章教授(専門:情報科学)のゼミが、研究内容を社会に広く知ってもらうことを目的に企業や自治体など外部に向けて紹介する「オープンゼミ」を開催しました。6月の第1回に続いて2回目。びぷれすイノベーションスタジオ(熊本市中央区)を会場に21名が参加し、Web会議システム「Zoom」を使用して7名がオンラインで参加しました。

 ICT(情報通信技術)を活用した地域社会の課題解決やデジタルコンテンツ制作に取り組む境ゼミでは、自治体や企業と連携したさまざまな研究を行っています。2回目となる今回は、学生が制作するデジタルコンテンツの発表、企業による最新デジタル技術紹介のほか、熊本市都市建設局都市政策部市街地整備課が都市づくりについて紹介。“withコロナ”の時代に産学官が連携して活用できる取り組みについて模索しました。

 学生による制作物発表では、3名が、「Blender※1」を使用して制作する3Dマップモデル「池辺寺周辺3Dマップ/岩﨑一樹さん(4年)」、「Unity※2」を使用して地域の歴史遺産をデジタル化する「バーチャル池辺寺/大畑佑介さん(4年)」、バーチャルSNS「cluster※3」を使用して本学キャンパス内を散策できる「バーチャルキャンパス/市川翠さん(3年)」を発表。さらに前回発表時から作りこんだ点や今後の課題について報告しました。
 「バーチャルキャンパス」を制作している市川さんは、前回の発表時に参加者から寄せられたアドバイスを参考にワープ機能を設けたこと、ワールド内のスクリーンに動画を流す機能を追加したことなどを報告し、アバター(自分の分身)が大学の歴史動画を視聴する様子を披露しました。

 続いて、熊本市市街地整備課の尾辻亮氏から「熊本市が目指す未来の都市構造」と題して、熊本市の人口推移と市街地の変化、熊本市が抱える課題とその解決案などについて話がありました。尾辻氏は「20年後30年後を見据えたまちづくりにおいてICTは不可欠。大学や企業と連携しながら、地域課題の解決にためにできることを模索していけたら」とコメント。同課の江﨑潤氏は「街をバーチャルで可視化できるので、遠方に住む人も街の魅力を体験できるのではないか。学生の視点だけでなく行政の視点もふまえて、どのように地域と関わっていけるのかを念頭において研究を続けてほしい」とアドバイスを送りました。また、企業による技術紹介として、kumaMCN(Kumamoto Motion Control Network)の櫻木誠氏、藤本賢志氏が、「PLATEAU※4」などの地図データの活用方法や、街を歩いてオープンストリートマップ上に地図情報を集めるイベント「マッピングパーティー」などについて解説しました。

 質疑応答では、「3Dマップを災害時に活用できないか」、「3Dマップでは建物のフロア別の見え方の区別はできるか」などの質問が飛び交い、貴重な“産学官の技術交流”の場となったようでした。境教授は、「このような機会をもうけ、行政や企業と連携し、学生の研究を地域の取り組みにいかしてもらうことができれば、学生の自信にもつながる。今後もオープンゼミを続けていきたい」と話しました。

 

※1 Blender:3DCGアニメーションを作成するための統合環境アプリケーション
※2 Unity:Unity Technologiesが開発・販売している、IDE(統合開発環境)を内蔵するゲームエンジン
※3 cluster:スマートフォンやPC、VR機器などさまざまな環境からバーチャル空間に集って遊べる、マルチプラットフォーム対応のバーチャルSNS​
※4 PLATEAU:国土交通省が主導する、日本全国の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクト

SHARE: