第70回熊本同友会景況調査報告会をオンラインで開催しました

教員・研究

2021.09.21

 本学の産業経営研究所は熊本県中小企業家同友会と連携し、同友会会員企業を対象に四半期ごとに景況調査を実施しています。9月8日(水)にWeb会議ツール(Zoom)を使用して行われた2021年4月~6月期の調査報告会で、商学部の足立裕介准教授(専門:中小企業論)が、集計・分析した内容を報告しました。

 足立准教授は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け悪化していた業況の持ち直しが続いている一方で、今後の資金繰り面の不安が強まっていると分析。業況判断DIは、前期からマイナス幅が19.7ポイント縮小して改善されているが、資金繰りDIの次期見通しが10.9ポイント悪化していることに触れ、「コロナ後に調達した借入金の返済が始まる企業の多くは、いまだ十分な利益を確保できていないため、資金繰りの見通しに不安を抱える企業が多いのでは」と述べました。また、コロナ禍における「売上げの減少」や「人員の見直し」を経営課題として挙げる企業が多い点や、「新規顧客の開拓」、コロナ禍で変化するニーズに応えた「新商品・新製品・新規サービスの開発」に取り組んでいる企業が多い点を説明しました。また、夏季賞与の支給について、支給すると回答した企業は、前年より10.2ポイント増加。支給月数も前年より0.11カ月増加し、平均で1.34カ月となったことを報告しました。

 最後に、質疑応答の時間が設けられ、参加した同友会会員同士でコロナ下での資金繰りの状況や経営手法などを共有する様子や、今後の経営について方向性を話し合う一幕も見られました。

 

※業況判断DI・・・前年同期と比べて業況が「好転」したと回答した企業割合から「悪化」したと回答した企業割合を差し引いたもの

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