人工知能AI を活用した相乗りタクシーの実証実験がスタート

地域

2021.10.15

 10月11日(月)、経済学部リーガルエコノミクス学科の溝上章志教授(専門:都市・交通政策)と熊本市、タクシー事業者など産学官が連携して実施する、同市東区健軍・若葉地区で人工知能 AI を活用した「ピアクレス AI タクシー」の実証実験がスタートしました。

 このプロジェクトは、熊本市が 2020年度に実施を予定していた AI を活用した相乗りタクシーの実験が、新型コロナウイルスの影響で事業見直しとなったため、今回溝上教授からの実施提案により、タクシー事業者を含めた産学官での事業として始めるもの。「ピアクレス AI タクシー」は、AIを活用し複数の利用者での相乗りを前提とすることで、通常のタクシー料金の約半額で同地区内を移動することができます。

 同日、健軍商店街駐車場で行われた出発式セレモニーには、株式会社TaKuRooの小山剛司代表取締役社長をはじめ、健軍商店街振興組合の有働栄一理事長、熊本市の津田善幸東区長、井芹和哉都市建設局長が出席しました。

 実行委員会会長を務める溝上教授は、挨拶で、「複数の公共交通やそれ以外の交通サービスを統合し、検索・予約・決済を一括で行う『MaaS』アプリを使っている点が大きな特徴。健軍商店街の登録店32店舗での買い物でポイントが貯まると、ピアクレスAIタクシーの半額乗車券がプレゼントされるなど、ピアクレスAIタクシーの利用拡大と商店街活性化のシナジー(相乗効果)が期待されている」と述べました。

 また、今回の実証実験のねらいにも言及し、「市電・バスの乗り換え拠点となる健軍地区へのアクセスと健軍地域内での移動の利便性向上、高齢化による人手不足の問題を抱えるタクシー事業者の運行効率性の向上、商店街への訪問者を増加させることでの地域の活性化の3点に、どのような影響を与えるのかを知るうえでも、先進的かつ重要な実験になる」と語りました。

 実証期間は10月11日(月)~11月22日(月)までの平日(8:00~20:00)で、常時2台が稼働する予定。溝上教授は「実走するためにはどんな課題があるのか。多くの方の意見や情報を吸い上げたい」と話しました。

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