「次代舎(第4期)」で商学部の伊津野範博教授が講義を行いました

教員・研究

2021.10.14

 10月11日(月)、14号館1411教室で、本学産業経営研究所と株式会社リ・パブリックが企画運営する熊本イノベーションスクール「次代舎」(主催:熊本県)の第10回セッションの講義が行われました。

 今回は、本学商学部の伊津野範博教授(専門:交通論、物流論)による「サプライチェーン・マネジメント」の講義が行われ、会場出席者とオンライン参加者合わせて11名が受講しました。

 伊津野教授は、「少子高齢化による労働者不足に加え、コロナ禍による巣ごもり需要で宅配便市場が増加し、トラックドライバー不足が深刻化している。また、輸送費の値上げにより、物流事業者の収支環境は好転したが、荷主企業へコストが転嫁されている」と、サプライチェーン(供給連鎖)を取り巻くさまざまな環境の変化について説明。

 続けて、物流にかかわるコンセプトの変化として、物流管理としては最も遅れた段階の「受身型物流」、在庫の配置と補充をコントロールする「物流システム」、実需に合わせて生産、仕入れを同期化し、適正在庫を維持する「ロジスティクス※」、今回の講義タイトルでもある、メーカーから消費者までの動きに着目して、チェーン全体の効率化をはかる「サプライチェーン・マネジメント」について解説。「『サプライチェーン・マネジメント』に到達するには、『ロジスティクス・マネジメント』が確立していなければならない」とし、その領域である①物流サービス(物流活動の付加価値)②物流コスト(物流効率の尺度)③在庫(適正量の維持、管理)④物流ネットワーク(物を動かすための仕組み)⑤物流作業生産性(効率的な運営管理)について具体的に説明しました。物流コスト管理では、作業(活動)の実態をコストに表すことを目的とする、物流ABC(Activity‐Based Costing:活動基準原価計算)の問題が、物流作業生産性では、物流データから作業人員を算出する問題が提示され、受講者は演習問題に熱心に取り組みました。

 伊津野教授は10月25日(月)に2回目の講義を行います。

※ロジスティクスとは、もともと軍事用語の「兵站」を意味するもの。これをビジネス用語として転用。市場の販売動向に生産や仕入れの量を同期化することで、ムダな調達、生産、仕入れを排除し、適正な在庫量の維持が可能となる。

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