商学科 吉川勝広教授が「くまもと県南フードバレー『経営塾』」で講義

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2021.12.02

 本学と株式会社熊本日日新聞社が共同で企画・運営する、「くまもと県南フードバレー『経営塾』」(主催:熊本県)第3回が11月26日(金)フードバレーアグリビジネスセンター(八代市)で開催され、商学部 吉川勝広教授(専門:流通論、マーケティング論)が講師として登壇し、11名が受講しました。

 今回の講義内容は「マーケティング」で、売れるものを作るために重要な活動であるマーケティングの基本概念の「STP※1」「4P※2」「マーケティング・ミックス」とデジタル・マーケティングについて解説しました。

 吉川教授は「マーケティング活動の第一歩『STP』とは、何らかの基準でマーケット・セグメンテーション(市場細分化)し、ターゲットを絞り製品差別化を実現できるようにポジショニングを工夫すること。そして、これを実現する活動がマーケティングの基本要素『4P』であり、製品の機能や消費者の目的をどのように実現し、製品の情報を消費者とコミュニケーションをとって、消費者に届けるための経路、価格をどのように設定すること」と説明。続けて「マーケティングで重要なのは、『STP』を順序通りに行うのではなく、各要素を組み合わせ、消費者の立場から何度も検討を重ねること。『4P』の個別要素だけを考慮するのではなく、2つ以上の要素を組み合わせる『マーケティング・ミックス』の観点で展開することが必要」と話しました。

 次に、現在のデジタル社会における「デジタル・マーケティング」について解説。ある女性の一言から誕生した商品を開発した企業を事例に説明しました。「企業と顧客には『承認』『協働』の関係性が必要で、どのような企業であれば仲間として協働したくなるのかを考えるのが『デジタル・マーケティング』」。デジタル社会以前と現在を比較しながら説明し、「急速に進展する現在のデジタル社会の変化を避けることができない」と話し、企業中心の戦略「4P」に加え、顧客中心戦略の「4C※3」で展開するマーケティング・ミックスなどについても解説しました。

 受講生は課題「自社製品が4Pのマーケティング・ミックスとして何を目指すか」「自社製品あるいはサービスが消費者とのタッチポイントがどのようになっているのか」について考えをまとめ、それぞれの課題について代表者が発表。吉川教授は、発表者一人ひとりにコメントしました。

 経営塾は、令和3年9月から令和4年2月まで全6回開講。令和4年1月27日(木)の第5回講義で本学商学部水野真実講師(専門:会計学)が講師を務めます。

 

※1) STP「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」

※2) 4P「製品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「プロモーション(Promotion)」

※3) 4C「共創(Co-creation)」「通貨(Currency)」「共同活性化(Communal activation)」「会話(Conversation)」

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