元外交官2名が経済学部「国際政治学」の授業でゲスト講義

学部

2021.12.23

 12月17日(金)、ライフ・ウェルネス学科の向井洋子教授(専門:地域政策、国際政治学)が担当する経済学部「国際政治学」の授業で、元外交官の官澤治郎氏と宮原信孝氏を講師に迎えたゲスト講義があり、学生40名が受講しました。

 「国際政治学」は、国際政治に関する基礎を固め、集団安全保障体制に基づく20世紀半ば以降の国際秩序とその問題点を理解することを目的とした通年科目。秋学期は、グローバルガバナンス※について内戦や貿易などのさまざまな問題ごとに学んでいます。

 官澤氏(現 沖縄グローバルセンター所長・かんざわ英進塾塾長)は、約1年間滞在したアフガニスタンでの生活や仕事について説明。「現在、アフガニスタンは政権が変わって不安定な状況だが、今まで取り組んだ教育支援が必ずいきてくると信じている。日本にいるとなかなか現地の状況が見えないが、実際に飢餓で苦しみ、社会的に差別されている人々がいる。苦しい状況が現実問題としてあることを知ってほしい」と語りかけました。

 宮原氏(現 筑後川コミュニティ財団代表理事)は、アフガニスタン大使館次席として現地で行った復興支援や、アフガニスタンの民族や社会構造について解説。「支援活動をするうえで『地方住民の支持を得ること』が非常に重要。住民との対話を通して理解を得ることが、地域の開発・安定につながる」と話しました。

 講演後の質疑応答では、「金銭的な支援以外にどのような取り組みを行いましたか」「現地の社会構造を変える方法はありませんか」などと積極的に質問があがり、学生は“現地”を知る元外交官の生の声に聞き入っていました。

 最後に2~4人のグループに分かれて意見交換のワークショップを実施。田口華さん(経済学科3年)は、「現地の方々の理解を得たうえで支援をするために、私たちに出来ることは何かと考えた時に、最後は『難しい』という答えにたどり着いてしまう。実際に現地に行って活動されたお2人に感銘を受けた」と話しました。

 

※グローバルガバナンス…国家間の協調より市民などの協調を重視し、地球共同体の安全保障などの実現を図る概念

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