商学科 水野真実講師が「くまもと県南フードバレー『経営塾』」で講義

教員・研究

2022.01.31

 1月27日(木)、本学と包括的連携協定を締結している株式会社熊本日日新聞社が共同で企画・運営する「くまもと県南フードバレー『経営塾』」(主催:熊本県)第5回がフードバレーアグリビジネスセンター(八代市)で開催され、商学科 水野真実講師(専門:会計学)が登壇。会場出席者とオンライン参加合わせて9名が受講しました。

 今回の講義内容は「戦略会計」で、企業が安定した経営をおこなうために重要な「管理会計」の考え方について解説。「管理会計」は目標を数値化し可視化することで適切な経営意思決定ができるため、経営者や現場担当者が経営判断の材料として活用するもの。水野講師は、前職(病院の経営企画)で、「管理会計」が一般企業だけではなく、病院経営にも当てはまるのではないかと考え自ら実践。前職での取り組みを紹介しながら、「原価計算」「損益分岐点」「原価企画」「意思決定」「経営計画」について説明しました。

 それぞれの項目について、水野講師が企業の事例を使って説明した後、グループワークで各受講者の企業の取り組みについて話し合われました。特に「意思決定」は、複数の代替案のなかからベストな案を選択する際に重要な考え方で、企業がおかれている状況によって、選択基準が異なるとしたうえで、判断するための情報として、差額原価収益分析(※1)が必要であると解説。この考え方は、企業では日頃から活用されている考え方であるため、シミュレーション事例を提示したグループワークでも活発に意見交換が行われました。

 最後に水野講師は「管理会計の考え方を活用することは、企業が将来どうありたいか、という目標と現状を可視化することにつながる。そして、企業のミッションやビジョンを理解し、バランスト・スコアカード(BSC)(※2)などの経営計画に落とし込むことで、経営者だけではなく社員間で円滑なコミュニケーションを図ることが可能になる。今回の講義は、学問的な内容と、病院での経験を踏まえた事例を織り交ぜた内容であり、実際に管理会計が現場で活用できることを理解していただけたら幸いである」と締めくくりました。

 次回(第6回)『経営塾』は2月17日(木)、これまでの学びを活用した討論と、関西学院大学商学部 吉川晃史教授(元本学大学院会計専門職研究科准教授)による基調講演、閉講式が行われる予定です。

 

※1 差額原価収益分析 代替案の間で発生が異なるような、将来に発生する原価(差額原価)と収益(差額収益)・利益(差額利益)を計算し、優劣を判断する

※2 バランスト・スコアカード(BSC)  会計的な視点と非会計的な視点から策定される計画表であり、経営戦略の進捗状況を把握することができる

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