日本語教員養成課程の学生が慶誠高校の留学生の日本語学習をサポート「慶誠日本語クラブ」

交流

2022.05.31

 日本語教育の専門的な科目を学び、単位修得および実習を経て日本語教員の資格を取得できる日本語教員養成課程(担当:塩入すみ英米学科教授)を履修する学生、同課程出身の大学院生、科目等履修生が、実習の一環として、慶誠高等学校(熊本市中央区)の留学生を対象に日本語学習をサポートする高大連携プログラム「慶誠日本語クラブ」で活動しています。

 慶誠高校に今年4月から留学している1年生のジョバさんは、セネガル出身でセネガルの女子バスケットボールU-18にも選出された有望な選手。母語はフランス語で、日本語の勉強をはじめたばかりです。今回、ジョバさんが学校と寮という限られた世界に留まらず、日本語教育を学ぶ学生からアカデミックな日本語指導を受け、ともに校外で活動をすることで、充実した留学生活を送ってほしいという慶誠高校の希望と、学生が実習として単位を取得でき、実践的な学びを体験し成長する機会としたい大学の希望がマッチし、グローバル教育を企画提供する(一社)エジュ・エボリュの協力を得て、日本語学習サポートチーム「慶誠日本語クラブ」を結成。活動期間は4月21日から7月末までで、日本語学習と校外活動を週に計5回行います。

 5月19日(木)には、竹原このみさん(英米学科4年)、古閑華恋さん(大学院修士課程国際文化研究科1年)、松本新花さん(同1年)が、ジョバさんとともに駅ビル『アミュプラザくまもと』(熊本市西区)を訪問。電車に乗る、ATMでお金を引き出す、買い物をする、飲食店で注文するなど、日常生活に必要な日本語を教えながら散策しました。また、5月23日(月)には、竹原さんと、鈴木友麻さん(科目等履修生)が、びぷれすイノベーションスタジオ(熊本市中央区)で会話練習を実施。テキストに沿って、「ジョバさんは日本語ができますか」「はい、わたしは日本語が少しできます」といったロールプレイを用いて学習しました。

 竹原さんは、「日本語教師をめざして勉強してきたが、実際に指導してみると、準備どおりに授業を進められなかったり、イレギュラーなことが起きたりするので、実践することの大切さを実感している。ジョバは教えてくれてありがとうと言ってくれるが、私たちの方こそ成長させてくれてありがとうという気持ち。一緒に“できた!”を積み重ねていきたい」と話しました。ジョバさんが「好きな日本語は"ありがとう"と"かわいい"。一緒に勉強できてとても楽しくて幸せ」と話すと、「ジョバが楽しいと私たちも楽しい!」と返し、笑顔を見せあっていました。

 塩入教授は「英語話者ではないゼロビギナー(最初級者)の外国人に日本語を指導することは非常に難しいこと。学生たちは授業の準備に一生懸命取り組んでおり、その過程も成長を促す意義のある時間になっていると思う。慶誠高校では秋にも新たに留学生を迎える予定なので、慶誠日本語クラブの活動を継続していきたい」と述べました。

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