商学部で「熊本SDGs経営実現プロジェクト」のキックオフミーティングを開催

学部

2022.06.06

 商学部池上恭子教授(専門:財務管理論)、 足立裕介准教授(専門:中小企業論)、嶋田文広講師(専門:キャリアデザイン)の3年ゼミ生42名が、2021年10月に熊本商工会議所と協同で、県内企業のSDGs(持続可能な開発目標)経営※の推進を図る産学連携プロジェクトをスタートさせました。学生ならではの課題発見力や柔軟な発想をいかして、熊本商工会議所会員企業の SDGs 経営の有効事例創出につなげることを目的とし、これまでSDGs経営のコンサルティングを行う講師による講義の受講や、SDGsに関するワークショップの実践を通してSDGsに対する理解を深めてきました。

 5月28日(土)には、121教室で、学生と参加企業9社がともに学ぶことで親睦を深め、 SDGsに対する考えを共有するためのキックオフミーティングを開催しました。

 初めに、MS&ADインターリスク総研株式会社 主任コンサルタント末永潤氏によるキックオフセミナーが行われ、SDGsの基礎知識や今後企業に求められる取り組み、SDGsを活用した企業経営の事例が紹介されました。末永氏は、本プロジェクトを進めるうえで、「まずは楽しむことが重要。それぞれのグループは年齢層が幅広いので、それぞれの『原体験』に紐づくアイデアを出してほしい」と期待を述べました。

 アイスブレイクを行った後、25のチームに分かれ、SDGsの活動を具体的に体感するためにSDGsカードゲームを行いました。このゲームは、「2030SDGsゲーム」と呼ばれ、それぞれのチームで「富を得る」「悠々自適な生活を送る」「貧困を撲滅する」「環境を保護する」「温かい社会が育まれる」などのゴールが設定され、お金や時間を使うことで「交通インフラの整備」などさまざまなプロジェクトを遂行していきます。プロジェクトを遂行すると、新たにお金や時間、新プロジェクト、意志(やりがい・想い・経験)などが手に入り、プロジェクトの遂行に応じて「世界の状況メーター」である「経済」「環境」「社会」のバランスが変化していきます。各チームは「世界の状況メーター」に配慮しながら、チームのゴール達成(豊かな世界)に向けてプロジェクトを遂行していくゲームです。

 ファシリテーターを嶋田講師が務め、参加した学生・企業関係者はゴール達成に向けて、真剣な表情で意見を出し合っていました。嶋田講師は、「世界の状況メーター」が中間結果発表時の「経済」優先から、最終的には「社会」「環境」に配慮した状況に変化したことに触れ、「みなさんの行動で世界が変わることを感じてもらえたと思う。世界は繋がっている。それぞれが起点になって行動を起こしてほしい」とこれからSDGs経営に取り組む参加者に呼びかけました。

 参加した商学科池上ゼミの徳重憲さんは「SDGsの基礎知識はあったが、実際にゲームをしてみて自分の活動がどのように世界に影響を与えるかを体感できた。これから建設会社の方と一緒に発表に向けてアイデアを出していくが、高校時代に学んだ建築の知識をいかして、会社の経営の根本にインパクトを与えるような提案をしたい」と抱負を述べました。

 今後は、12 月までにグループごとに SDGs経営のアイデアについて検討を重ね、翌年1 月に参加企業に対して提案する予定です。

※SDGs経営・・・”SDGs17のゴール”の視点を経営に取り入れ、収益構造の確立をめざすもの

SHARE: