災害復旧・復興支援コーディネーターの前原土武氏がボランティアセンタースキルアップセミナーで講演

交流

2022.07.01

 6月21日(火)、14号館1411教室で、熊本学園大学ボランティアセンターが主催するスキルアップセミナーを開催しました。このセミナーは、被災家屋の復旧作業や災害ボランティアの心構えなどを学びたいという学生の声を受け、“0より1”の知識を持って被災地で活動に取り組んでもらおうと実施したもの。災害NGO結代表で、災害復旧・復興支援コーディネーターの前原土武氏を講師に迎え、学生20名が参加しました。

 沖縄県出身の前原氏は、2011年の東日本大震災を機に「災害支援のプロ」として活動に従事。2016年の熊本地震の際には前震発生後すぐに熊本入りし本震を経験、令和2年7月人吉豪雨災害では本学社福災害学生ボランティアグループのサポートを務め、ともに復旧支援を行うなど、これまで30カ所以上の被災地で活動してきました。講演では、「プロに学ぶ 災害ボランティアセミナー ~皆さんが被災地で活躍できるように~」と題して、現場活動の総合的なコーディネート、情報の集約・共有や課題の見える化などの主な支援調整活動のほか、被災家屋の復旧作業の流れや留意点、コロナ禍での災害ボランティア活動について、経験や事例を交えて解説しました。

 前原氏は「同じ『大雨』でも地域によってもたらす被害が違うように、一つとして同じ災害はなく、同じ支援もない。地域性に合わせた支援が必要」としたうえで「『緊急時』『復旧期』『復興期』と、段階によって支援の内容は変わってくる。被災者が希望を持って歩き出すことを後押しするために片付けをしたり、孤独感を抱えている人のためにサロンを開いたりと、大事なのは目的である」と、被災者の気持ちを考えて支援することの重要性について述べました。また、防災の意識に触れ、「発災前を『防災』と考える人が多いが、発災後に何ができるのか考えて知識を蓄え、できることを増やしておくことも『防災』。防災のスキルアップに努めてほしい」と呼びかけました。

 最後に、助けを求め援助を受ける力『受援力』について、「日ごろから挨拶やイベントを行っている地域は助け合いができ、受援力が高い。自分のことだけでなく、地域で困っている人がいたら、代表して“助けて”と声をあげて。そうすることで、つなぎ役となり受援力が高まり、より大勢の人に手を差し伸べることができる」と、その意義を強調しました。

 聴講した林田真依さん(ホスピタリティ・マネジメント学科4年)は、「高校1年のときに熊本地震を経験し、避難所でボランティア活動に携わったことをきっかけに、大学入学後にボランティアグループ『LaughConnect(ラフコネクト)』に所属した。講演を聞いて、これまで仮設団地などで行ってきた子どもの遊び場づくりや勉強支援の活動が受援力のサポートになっていると感じた。今後も地域のつながりをサポートするコミュニティ作りに積極的に取り組みたい」と気を引き締めた様子でした。
 

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