まちの課題をICTとデータで解決する「オープンカンファレンス」を開催

交流

2022.07.07

 7月2日(土)、新1号館みらい121教室で、本学と(一社)熊本県情報サービス産業協会(以下、情産協)が主催するオープンカンファレンスが開催されました(共催:UDC2022・Code for kumamoto)。本学と情産協は、地域の課題解決や人材育成等に寄与することを目的として、2022年3月に包括的連携協定を締結。今回のオープンカンファレンスは協定の締結を記念して行うもので、これまでに両者が協働で地域の課題解決に向けて実践してきたICTやデータを用いた活動の報告、公共交通やオープンデータをめぐる最新の技術・情報の紹介がありました。学生、教職員、卒業生、企業・自治体など、会場に約50名、オンラインで約30名が参加。

  はじめに、これまで活動に関わってきた境章名誉教授(元経済学部経済学科)があいさつで、「コロナ禍でゼミ活動に制限があるなか、情産協やKumaMCNの若手技術者たちから多くの知識と技術を学んできた。これまでの協力に改めて感謝したい。今後は協定に基づく活動として、技術交流をより活発にしていきたい」と述べ、情産協の櫻木誠青年部会長が情産協の主な取り組みや協定締結への思いなどについて話しました。
 
 第一部では、境ゼミの学生4名が「メタバース(仮想空間)とOSM(OpenStreetMap)」をテーマに、Unity(※1)やcluster(※2)を使用して制作したバーチャルワールドやOSMを使用したマッピングパーティーの活動について発表。制作・活動の過程でこだわった点や苦労した点、今後の課題、展望について報告しました。

 「バーチャル熊本市動植物園」を制作した中島大智さん(4年)は、ユーモアを交えながら楽しく園内を案内し、参加者たちもスマートフォンやパソコンなど各自のデバイスでワールド内を散策。また、制作した「バーチャルワールド熊学」が学園創立80周年記念事業の一つに採用された市川翠さん(4年)は、「大学に来るたびにキャンパスの写真を撮って作り込んでいる。ぜひオープンキャンパスで高校生に活用してもらいたい」と意欲を見せました。参加した自治体、企業、団体からは、産学官の連携した取り組みに向けて期待する意見が飛び交いました。

 第二部では、「公共交通とオープンデータ」をテーマに、KumaMCNの藤本賢志氏とTraffic Brain代表取締役の太田恒平氏が報告。XR(※3)などの最新技術や、オープンデータを用いた熊本の交通の可視化およびバス利用の活性化に向けた取り組みについて紹介がありました。続いて、ライトニングトークでは、3名の技術者が企業の取り組みや技術を報告し、情報を共有しました。

 最後に、情産協の足立國功会長が「学生さんがデジタルに関心を持って実際にコンテンツを作成し、“デジタルマインド”を醸成されていることに感銘を受けた。技術者の皆さまのご協力によってさらにデジタルリテラシーの教育が進むのではないか。文系・理系の垣根を超えて、これからのDX(Digital Transformation)時代に活躍されることを期待している」と述べ、オープンカンファレンスは盛会のうちに終了しました。

発表者は以下のとおり

第一部

  • 仮想空間で阿蘇を盛り上げる 日田 光星(4年)
  • バーチャル熊本市動植物園 中島 大智(4年)
  • バーチャルキャンパス熊学 市川 翠(4年)
  • 田崎市場マッピングパーティー 上村 明希(4年)

第二部

  • XRとシビックテック KumaMCN 藤本 賢志 氏
  • 熊本の交通をデータで考え元気にしよう Traffic Brain代表取締役 太田 恒平 氏

ライトニングトーク

  • 株式会社KIS 矢野 翔大 氏
  • 株式会社KIS 長﨑 宏司 氏
  • 株式会社サイバード 寺西 興晃 氏

※1 Unity:Unity Technologiesが開発・販売している、IDE(統合開発環境)を内蔵するゲームエンジン
※2 cluster:スマートフォンやPC、VR機器などさまざまな環境からバーチャル空間に集って遊べる、マルチプラットフォーム対応のバーチャルSNS
※3 XR:VR(バーチャルリアリティ)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)など現実世界と仮想世界を融合し、新たな体験をつくり出す技術の総称
 

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