2022(令和4)年度第1回社会福祉研究所研究会が開催されました
2022.07.15
7月9日(土)、14号館1411教室で第1回社会福祉研究所研究会が開催されました。社会福祉学科の西﨑緑教授(専門:社会福祉学)が「社会福祉現場での苦情解決-苦情を活かしたケアの改善-」をテーマに、講演。会場出席者とオンライン参加者あわせて46名が受講しました。
はじめに、社会福祉研究所の仁科伸子所長(社会福祉学部教授)が「社会福祉研究所は地域貢献を一つの目標とする、地域の皆さんとともに歩む研究所です。近年グローバリゼーション、格差社会、人口減少などの社会変化で、社会福祉の現場には課題が多く、それは非常に複雑化しています。今回の講演は、現場での対応やこれからの経験につながるはず」と挨拶しました。
西﨑教授は、生きづらい社会が苦情を生み出していて、その理由として、非正規雇用の増加、低賃金・長時間労働などの社会経済環境の変化や介護離職が増加していることなどを説明。また、「顧客を満足させないサービスは、文句を言って当然だという考えが主流になっている。しかし、苦情のなかには隠された意味があるので、避けることを考えるのではなく、その意味を考えながら改善にいかしていくことが大切である」と話しました。
「苦情は、『悲しい』『悔しい』という感情から『怒り』を発するものなので、簡単には収まらない。想いに寄り添った言葉で感情を受け止めることが必要である」とし「社会福祉の現場で働く職員に対しては、入職時から研修を行い、情報を共有することで、執拗な苦情の攻撃から守ることができる」と締めくくりました。最後に「気持ちを受け止めたうえで、謝罪すべきところは謝罪し、福祉サービスの改善・向上に役立てましょう」と参加者に呼びかけました。