次代舎「第5期」で本学大学院会計専門職研究科の新改敬英准教授が講義を行いました

教員・研究

2022.07.26

 7月22日(金)、14号館1411教室で、本学産業経営研究所と株式会社リ・パブリックが企画運営する熊本イノベーションスクール「次代舎」(主催:熊本県)の講義が行われました。

 今回は、「マネジメント力養成フェーズ」の1回目の講義で、本学大学院会計専門職研究科の新改敬英准教授(専門:管理会計)による「戦略・マーケティング基礎」の講義が行われ、会場出席者とオンライン参加者合わせて14名が受講しました。

 新改准教授は、冒頭に経営を学ぶ必要性を「経営学の専門家になる必要はないが、組織の総合的な舵取りには必要な知識です。経営実務はすべての領域が連動していて、パズルを埋めていくような学びです」と説明。続けて、今回取り扱う戦略の範囲を、会社戦略を具現化する「事業戦略」であるとしました。

 ビジネス環境の変化とテクノロジーの進展で、経営環境が大きく変化し、勝ちパターンの賞味期限が短くなるなかで、市場、事業・製品、サービスに存在するライフサイクルを「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」のステージ別に基本戦略を解説。「『成熟期』において、顧客層を変えると違う層が見えてくるので、新しい市場を作り出すことができる。その時に重要なことは、顧客にとって必要な価値とは何か、それをどのような立場で提供するのかを考えることで、これが事業戦略です。そして、その基本は差別化することで、ポイントは『むやみに戦わないこと』『何をしないのかを決めること』だ」と話しました。

 「むやみに戦わない」とは、競合他社が取り組んでいないことを探すことで、「戦略キャンバス」※を使ってグループワークを行い、新しい価値を作る方法を学びました。次に「何をしないか決めること」について、商品や製品が消費者に届くまでの、その業種における一連の流れ「バリューチェーン」の事例を、自動車業界や半導体業界で説明し、個人ワークで自社におけるバリューチェーンを作成しました。

 最後に、「現在の自社の強みは相対的に見ての強みなのか。また、将来も強みであり続けるのか、冷静に考えることが大切です。今日の講義を頭に入れておくと、仕事への取り組み方が変わる」と締めくくりました。

※戦略キャンバス W・チャン・キム氏とレネ・モボルニュ氏が著書「〔新版〕ブルーオーシャン戦略」の中で提唱。業界各社が力を入れる競争要因(顧客への提供価値)に対して、競合他社と自社がどのような価値をどのレベルで提供しているか評価し、価値曲線で表現したもの。

 

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