商学部吉川ゼミが企業へSNSの効果的な活用法を提案

学部

2022.09.15

 商学部吉川勝広教授(専門:マーケティング論)の3年ゼミ生14名が、山鹿市にぎわい創出協議会、肥後銀行山鹿支店と連携し、山鹿市内にある創業5年以内の企業を対象にSNSを活用した売上拡大のための聞き取り調査を行い、それぞれの企業に対して効果的なSNS活用法を提案しました。これは、本学と同協議会・同行、地元企業の産学官が連携して行うワーキングで、同協議会・同行が主催の「SNSを活用した売上拡大セミナー」の一環として行われたもの。コロナ禍で売上拡大ツールの一つとしてSNSを活用する事業者が急増していることを受けて開催されました。
 8月26日(金)、吉川ゼミの学生が3班に分かれ、5つの企業を訪問し聞き取り調査を行いました。オーダーメイドスーツの制作・販売を行う「River」では、榊哲郎代表が会社の創業からの変遷や主な販売対象者を説明。学生からはスーツの制作過程や商品ディスプレイの仕方などについて質問があり、インスタグラムを使用した効果的な発信方法を模索しました。榊社長は「私たちは事前学習なしにSNSを始めているので、若者目線を知り、効果的な発信で売上拡大につなげたい」と話しました。八千代座近くの商店街に落語カフェとしてお店を構える「七七屋 山本堂」では、山本博代表が「SNSを使って八千代座を核とした町おこしをしたい。人が主役の商店街である豊前街道北部商店会の強みを発信し、山鹿市のファンを増やしたい」と意気込みを語り、学生からは「目玉商品は何か」「各店舗にSNSのアカウントはあるか」などの質問が投げかけられました。
 9月1日(木)に行われた報告会では、訪問したそれぞれの企業のSNS改善案を発表。「River」を訪問した班からは、インスタグラムのプロフィール欄の情報を充実させ、投稿した写真に統一感を持たせ見やすくすることで、一目でどのようなお店かわかるようにするなどの改善案が出されました。また、職人の手でこだわった特別なスーツを作っている点や、LGBTQの方々の要望にも応じたスーツを提供している点をお店の魅力としてあげ、実際にスーツを制作している姿や、顧客の声をSNSで発信する案も出されました。
 落語カフェ「七七屋 山本堂」への提案では、商店街全体のインスタグラムアカウントを作成し、そのアカウントから各店舗のアカウントへ誘導する案が出され、人が主役の商店街をアピールするために、写真ではなくストーリーズ機能※1やリール機能※2などを用いて動画で発信する方法が述べられました。提案を受けた企業の代表者からは「早速持ち帰って試してみたい」「発信する対象を意識し、自社の強みを積極的に発信していきたい」などの声が聞かれました。
 プレゼンを行った鍋田彩華さんは「学生の意見にもかかわらず、企業の方々がしっかり話を聞いてくれたことがうれしかった。年々SNSへの関心も高まっているので、SNS世代の私たちが今回のような活動に積極的に参加していきたい」と手応えを語りました。

※1ストーリーズ機能・・・Instagramにある24時間以内で消える投稿機能で、写真(静止画)と動画を投稿することができる
※2リール機能・・・短尺動画形式のコンテンツを作成・投稿できる機能

SHARE: