水俣学研究センター第19期公開講座が開講

地域

2022.09.30

 本学の水俣学研究センターが主催する、第19期公開講座「いのちと環境を考える ~水俣・芦北に風力発電は必要か~」が、9月27日(火)、エコネットみなまた(水俣市)で開講しました。第1回の講義は、龍谷大学政策学部の大島堅一教授(専門:環境経済学)が「日本のエネルギー・環境政策と再生可能エネルギー」と題して講演。講義はオンラインでも行われ、会場出席者29名、オンラインで27名、計56名が受講しました。

 はじめに、水俣学研究センターの花田昌宣センター長が「今回のテーマは、現実に起きた課題にどう取り組むかというもの。現在進行している、水俣周辺における風力発電計画の課題を検証します」と挨拶しました。

 大島教授は、2011年以降のエネルギー政策や電源構成、電力需要などが変化し、電力が新しい時代に入ったことを説明。「2022年には、電力価格の高騰や電力需要逼迫といった新たな課題が発生していて、改めて『エネルギー』について考える必要がある」とし、「人間社会が必要としているのは、石炭、石油、天然ガスといった『エネルギー資源』ではなく、動力、照明、熱といった『エネルギーサービス』で、消費(利用)の面から見た場合は、電源(資源)は何でも構わない。これからの社会は再生可能エネルギー(※)を中心にエネルギー政策と環境政策を統合した、再生エネルギー型経済社会といえる」と話しました。

 環境白書(令和2年版)で初めて「気候危機」が取り上げられ、近年の世界各地における豪雨災害などの極端現象が気候変動に起因するのか研究が進められていて、この気候変動危機を回避するためには、再生可能エネルギーを増やすことが重要だとされています。大島教授は、このエネルギーの特徴や課題について解説し「再生可能エネルギー設備が、自然環境破壊につながらないよう、設置にあたっては地域環境に配慮し、住民参加で計画を進めることが大切で、地域の関わり方で次第で、成功も失敗もあり得ます」と締めくくりました。

 公開講座は全5回で、10月25日まで毎週火曜日18:30より開講されます。詳しくは、水俣学研究センターホームページでご確認ください。

※再生可能エネルギーとは、比較的短期間のうちに再生されるエネルギーのことで、太陽光、風力、地熱などを指す。

 

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