商学部「熊本SDGs経営実現プロジェクト」中間報告会と(株)ファーストリテイリング執行役員による講演会が開催されました

学部

2022.10.25

 商学科 池上恭子教授(専門:財務管理論)、足立裕介准教授(専門:中小企業論)、ホスピタリティ・マネジメント学科 嶋田文広講師(専門:キャリアデザイン)の3年ゼミ生42名は、2021年10月から熊本商工会議所と協同で「熊本SDGs経営実現プロジェクト」に取り組んでいます。10月22日(土)、「新1号館 みらい」 121教室で、来年1月の最終報告会に向け、進捗状況などを共有し、各グループの取り組みが他のグループの参考になることを期待して中間報告会を行いました。

 池上教授の開会の挨拶に続き、株式会社ファーストリテイリングの新田幸弘執行役員を講師に迎え「ファーストリテイリング(ユニクロ)のサステナブル経営」と題した基調講演が行われました。同社のサステナビリティ担当執行役員である新田氏は、世界共通のサステナビリティの課題に対して会社がどのような方針に従ってビジネスを展開しているかを説明。「これからは、サステナビリティとビジネスの成長を両立させる、循環型のビジネスモデルに変えていかなければ、会社は生き残れない。サプライチェーンのすべてにおいて、環境に優しく、人権問題のない商品を開発していくことが、社会全体がよい方向へいくということ」とし、「『自らの事業を通じて社会をよくする』『世界で一番必要とされる会社になる』ことがこれからの目標。そのためにはサステナビリティの実現に向けた活動が、ビジネス戦略上の大きな柱になります」と語りました。

 中間報告会では、進捗状況について発表。9グループに分かれた学生たちは、プロジェクト参加企業9社とチームになり、2022年5月のキックオフミーティング後、グループごとに企業との打ち合わせ、会社訪問などを行いました。課題解決への糸口や新たな課題を発見するなど、試行錯誤しながら活動を続け、すでに最終報告に向けて方向性を決めているグループや、企業と考え方の相違で課題設定の見直しを行うなど苦戦しているグループも見られました。各グループの発表後には企業担当者からチームに向けた講評があり、「自分たちが気づかなかった点を指摘してもらえた」「新たな課題を提案された」「何度も会社に足を運んでもらい、さらに同業他社との比較までしていただいた」「考え方に柔軟性があり可能性を秘めている」などの声があがりました。また、熊本商工会議所の坂本浩専務理事は「難しい課題だけに学生の皆さんが苦労すると考えていたが、発表を聞いて心強く感じた。2030年を意識しながら、中長期的な視点を持って、最終報告に向けて頑張ってもらいたい」とこれからの活動に期待を寄せました。

 最後に総評で、新田氏は「プロジェクトを遂行するには、ビジネスや社会環境に対する課題などが明確にならなければならない。また、ソリューションが学生と企業で完結しているので、商工会議所のネットワークも活用して外部との連携を図っていくとよいのでは。SDGsは1、2年で達成できるものではなく、さまざな主体を巻き込んで継続的な取り組みと情報発信を行うことが必要」と話しました。

【参加企業】(順不同)

㈱ビッグバイオ、㈱冨坂建設、㈱橋口石彫工業(担当:池上ゼミ)

葛城建設工業㈱、大東商事㈱、㈱オジックテクノロジーズ(担当:足立ゼミ)

㈱SPIN、熊本大同青果㈱、㈱鶴屋百貨店(担当:嶋田ゼミ)

 

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