県内就職を希望する学生向け講演会を開催しました

大学

2022.12.26

 12月13日(火)、県内での就職を希望する学生を対象に、熊本商工会議所から3名の講師を迎えて講演会を行いました。これは、熊本の商工業の振興と地域社会の発展に努める専門的な立場から、学生へ経済の動きや地元企業の魅力について説明してもらい、県内企業への理解をより深め、今後の就職活動の一助となることを目的に就職課が主催したもの。「新1号館 みらい」132教室を会場に、2・3年生計18名が参加しました。

 はじめに、総務部次長の川田晃仁氏から商工会議所の概要と2011年以降の熊本の経済の動向について解説。「2011年の九州新幹線開業以降、自然災害や新型コロナウイルスの影響を受けながらも、熊本はサクラマチエリアの再開発、スポーツの世界大会誘致、アミュプラザ開業などを起爆剤に成長し続けてきた。そのなかで、TSMC(台湾積体電路製造)の熊本への進出はこれまでにない規模で経済効果が期待される。関連産業への幅広い波及効果、道路や鉄道のインフラ整備、魅力的なまちづくりが進むことが予想され、今後の熊本の発展には若い力が不可欠」と、学生への期待を語りました。

 続いて、経営支援部次長の岩瀬修氏から、日本の中小企業の魅力についての話がありました。全企業の99.7%を占める中小企業は、国の付加価値額(※1)の半数以上をもたらしているとし、地域経済分析システムRESAS(※2)や企業の決算書の数字をもとに、全国、東京、福岡、熊本の中小企業を比較。熊本の中小企業の魅力について、健全な経営力が特徴的で稼ぐ力、伸びる力が際立っていると説明しました。

 最後に経営支援部長の高山晴司氏から、自然災害、気候変動、政治経済など予測不可能な不確実性の時代のなかで、変化へ対応する力と情報を多面的に集めることの重要性について言及。「自分が知らなかったことにも目を向けていくと想定の範囲が広がり、想定の範囲が広がると選択肢が広がって行動力が高まる。就職活動においても、できるだけ広く先入観なく企業を見ていただきたい」と、企業選択の指標となる公的認定制度を紹介。そのなかで、経済産業省では従業員の健康管理を経営的な視点で考え、健康増進につながる戦略的な「健康経営」に取り組む企業を評価していることに触れ、熊本県の認定数は増加傾向であることを示しました。また、熊本県が取り組む、従業員の幸せのためにさまざまな取り組みを認定する制度「ブライト企業(※3)」「よかボス宣言(※4)」などを挙げ、認定された企業を紹介しました。

 参加した一恵理さん(リーガルエコノミクス学科2年)は「就職を考える際、県内の企業についてどのように情報収集をすれば良いのかわからなかったため参加した。県内企業の話や、企業を選ぶ際のポイントについて話が聞け、今後の参考にしようと思った」と感想を語りました。

 

※1「付加価値額」 企業等の生産活動によって新たに生み出された価値のこと

※2「RESAS(リーサス)」 内閣官房および経済産業省が提供する、産業構造や人口動態、人の流れなどに関する官民のビッグデータを集約し可視化するシステム

※3「ブライト企業」 従業員とその家族の満足度が高く、地域の声を大事にして、地域社会経済への貢献度が高く、安定した経営を行っている熊本県が認定する企業

※4「よかボス宣言」 企業のトップが、社員の仕事と、結婚や子育て介護などの充実した生活ができるよう応援することを宣言する熊本県の取り組み

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