経済学部「地域経済特講(講座熊本)」で熊本ソフトウェア㈱髙口義幸代表取締役社長が講演

経済学部

2022.12.23

 12月21日(水)、経済学部「地域経済特講(講座熊本)」(担当:金栄緑教授、境章名誉教授)で熊本ソフトウェア株式会社の髙口義幸代表取締役社長が「熊本県の産業の現状と課題~半導体クラスターを中心に~」と題して講演しました。本授業は、熊本を中心に活躍中の民間企業、行政など各関連分野の方々を講師に迎え、さまざまな角度から生きた熊本の経済、社会、文化について幅広く学ぶもの。今年度は、2024年に熊本県菊池郡菊陽町に建設予定の半導体受託生産世界最大手「台湾積体電路製造(以下「TSMC」)」と熊本経済をテーマに、各分野から13名の講師陣を迎えます。
 髙口代表取締役社長は、熊本県職員として新産業振興局長や商工観光労働部長を務めた経歴を持ち、その視点から熊本県の産業の雇用や新卒採用、倒産などの景気動向を分析。「熊本県は2015年から有効求人倍率が1.0を超え、コロナ禍にもかかわらず全国平均を上回る高水準を維持している。今後は企業側が会社の魅力を求職者に発信していく必要がある」と述べました。また、熊本県の製造業においては、半導体関連、自動車関係、食品関係が3大産業であるとし、製造品出荷額は半導体関連が全体の約3割を占めており、「シリコンアイランド九州」「カーアイランド九州」と呼ばれる所以を語りました。
 さらに、熊本県の半導体関連産業の歴史についても触れ、企業が「きれいな水」や「労働力」、「土地」などを求めて熊本に進出した経緯や、半導体関連産業が熊本県の企業誘致を牽引している点について説明しました。また、TSMCの建設についても言及し、「今後はハイテク人材の雇用のニーズが高まり、有効求人倍率がさらに増え、人材不足が懸念される。TSMCに製造装置や材料を提供するサプライヤー企業の新規立地や増設もあり、地価の高騰も予想される」と述べました。最後に、今後も半導体を取り巻く環境はさらに変化するとし、「SONYとHONDAが共同で新会社を設立したように、車が『輸送機器』から『電子機器』になる時代が到来し、シリコンアイランドとカーアイランドの異名を持つ九州・熊本では、半導体産業と自動車産業を融合した産業が必要とされるだろう」と締めくくりました。

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