留学生が「日本文化演習」で禅入門を体験

交流

2023.01.27

 1月23日(月)、留学生12名と日本語養成課程を履修する学生2名が、「日本文化演習(担当:経済学部カーク・マスデン准教授、外国語学部塩入すみ教授、向井久美子教授)」の一環で、禅入門を体験しました。本講義は、留学生を対象とした授業で、日本文化のアニメーションや映画など視覚的な文学作品と他文化との比較や、日本の伝統文化と熊本の地域文化についてフィールドワークを通して実践的に学ぶことを目的としています。禅入門はコロナ禍で中止が続いていましたが、4年振りに見性寺(臨済宗妙心寺派、熊本市中央区)で実施されました。

 禅の指導には、岡山や京都で外国人禅僧と生活をともにした経験を持つ中野道隆住職があたり、はじめに、脚の組み方、手の形のつくり方、視線の位置、呼吸法など、坐禅の作法について英語を交えながらわかりやすく説明。その後、留学生たちは「立禅」「歩行禅」「食べる禅」などさまざまな禅に挑戦しました。10分間の座禅では、中野住職が修行者の肩や背中を打つ棒「警策」でパシっと肩を叩いてまわり、警策を受けた留学生たちは、姿勢を正し集中し直している様子でした。

 禅体験の後は、禅堂の修行と生活についての講話があり、中野住職は「自分の呼吸に意識を集中すると“mind talk(雑念)”は起こらない。禅は『今ここ“be here now”』に目覚める稽古。今をいきいきと生きて、人生を楽しんでください」と呼びかけました。最後に、ふるまわれたお抹茶とお菓子を味わい、留学生たちはリラックスした表情を見せていました。

 ハインリッヒ・ハイネ大学(ドイツ)からの交換留学生ベッチ・ゾエさん(社会福祉学科1年)は、「ドイツでは床に座る文化がないので、脚を組んで床に座ることが難しかった。はじめて禅を経験したが、精神を集中できてとても心が落ち着いた。警策を受けたときは、背筋がびしっと伸びた感じがした」と日本での貴重な体験に目を輝かせました。

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