公開講座 第30期「DOがくもん」第2回講演会を開催しました

イベント

2023.03.02

 2月25日(土)、本学と株式会社熊本日日新聞社が共催する、第30期「DOがくもん」の第2回講演会が本学14号館高橋守雄記念ホールで開催されました。講師に世界最高齢プログラマーでデジタルクリエーターの若宮正子氏を迎え「人生100年時代~何歳からでも人は変われる~」と題して講演。430名が聴講しました。

 現在87歳の若宮氏は、第二次世界大戦中食べることで精一杯だった幼少期から、高校卒業後就職した銀行での社会人生活、そして定年退職後までを自己紹介として語りました。転機となったのは58歳の時、コンピューターの時代になり、小型化されパソコンに近いものが出始めたころ、「この便利な機械が家にあったらいいな」と思い切って購入。「人生初の無駄使いでした。でも、これが今後、自分の人生を大きくかえるものだとは、思いもしませんでした」と、独学で始めたパソコンとの出会いを話しました。

 「当時は、電話回線を使った文字だけのやり取りでしたが、ネットでの交流にはロマンがありました。やりたいことがありすぎて、定年退職が楽しみで仕方なかった」と笑顔で話しました。定年後は、10年ほど介護生活を送ることになったが、「やりたいことが第一」をモットーに過ごし、「この間にインターネットでさらに広い世界に導かれ、そして、高齢者にもITリテラシーがあったほうがよいと考えるようになった」と述べました。

 その後パソコンはさらに小型化し、スマートフォンが登場。アプリが次々に開発されたが、高齢者には使いにくく、面白味に欠けたものだったので、ひな壇にひな人形を配置するゲームアプリ「hinadan」を自ら開発し公開。これが、81歳で米Appleが開催する世界開発者会議「WWDC 2017」への招待、人生100年時代構想会議※の有識者議員へと繋がりました。この他にも、シニア世代のサイト「メロウ倶楽部」の創設に参画するなど、現在も多方面にわたって活動を続けている、若宮氏のユーモアを交えたテンポのよい自己紹介は、時に笑いを誘い、参加者は話に引き込まれていました。

 最後に、「デジタルはとても便利なもの。AIは人が育てるもので、これからどうなるのか関心を持ってほしい」と呼びかけ、「人生を創造的に生きるということは、これまでになかった新しいことを作りだしていく力を持つこと。生涯学び続けるために、子どもたちを勉強嫌いにさせてはいけない。人生100年時代、大器晩成でいきましょう。私も未熟ですが、これからも大いに学び、成長していきたい」とこれからの抱負で締めくくりました。

※人生100年時代構想会議:平成29年9月に日本政府が設置。人生100年時代を見据えた経済社会システムを創り上げるための政策のグランドデザインを検討する会議

SHARE: