日本保育学会第76回全国大会で慈恵病院の蓮田健理事長兼院長が講演

イベント

2023.05.25

 5月13日(土)・14日(日)の2日間、本学「新1号館 みらい」を会場に日本保育学会第76回全国大会が行われ、オンラインでの参加も含め約2,000名の研究者・保育関係者が参加しました。
 開会の挨拶で、実行委員長を務める子ども家庭福祉学科の伊藤良高教授(専門:保育学)は「こども家庭庁が発足するなか、保育に対する関心はますます大きくなっている。保育に携わる多くの方が集まり、保育をめぐる理論と実践の創造の場として有意義な会になることを願っている」と述べました。
 基調講演には、慈恵病院の理事長兼院長を務める蓮田健氏が登壇。「なぜ産んだ我が子を殺し捨てるのか? 〜この非日常、非常識な世界を紐解く~」と題して講演が行われました。
 蓮田氏は、慈恵病院が行っている「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」のしくみや設備、看護師・助産師の初動などについて説明。最近の事例として「内密出産」を取り上げ、「内密出産のシステムは母親を犯罪者にしないための苦渋の選択。緊急避難システムで根本的な解決策ではない。根本的な解決は母親自身の持つ困難さを支援すること」と述べ、その支援の一つとして母親の幼少期における愛着形成の必要性を訴えました。また、保育士に求める役割についても言及し、「親と子がしっかりとした愛着を形成するためには、保育士が子どもの特性に気づくことも重要。気づきづらい知的障害や発達障害などにも早期に気づければ、柔軟な対応ができるようになる」と語りました。

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