「日本語教育演習」JICA(国際協力機構)パイロット事業で技能実習生が発表
2023.06.13
6月2日(金)、1121教室で、「日本語教育演習」(担当:塩入すみ外国語学部教授)を履修する学生と技能実習生がチームを組み、「1.写真とプロフィール」「2.学園大で見つけたこと」「3.日本で驚いたこと」をテーマに、発表会を実施しました。これは、外国人技能実習生・特定技能人材受け入れ事業を行う「くまかい協同組合」(熊本市東区)協力のもと、学生と技能実習生が一定期間交流するしくみを通して、技能実習生の日本語学習と日本人学生の日本語教育実践、技能実習生が日本での社会生活に馴染むためのサポートの提供を目的に、JICA(国際協力機構)が行うパイロット事業と連携した取り組み。人間・社会開発を行うコンサルティング会社、アイ・シー・ネット株式会社コンサルタントの小川佳子氏、くまかい協同組合事務局教育部の上村侑紀菜氏をゲストに迎え、外国語学部日本語教員養成課程の学生14名、技能実習生6名(フィリピン3名、インドネシア3名)、グループの取りまとめと司会進行を務める、大学院国際文化研究科修士1・2年生4名、教員1名の計27名が参加しました。
前半は、実習生1名とサポートを行う日本人学生2名のチームを作り、テーマごとに写真やアニメーションを駆使したプレゼンテーションを作成。それらをもとに、後半は実習生一人ひとりが、日本語で出身地や年齢、好きな日本の食べ物、学園大の図書館や学食、バスの時刻表、セルフレジ、ゴミの分別、トイレのウォシュレット機能などについて話しました。実習生が「好きな日本語は『愛してる』。家族にそう伝えたい」と語る場面では、参加者から歓声があがるなど、それぞれの個性豊かな発表の後には、会場から温かい拍手が送られました。最後に日本人学生が3グループに分かれ、お勧めしたい熊本や日本の観光スポット、食べ物、お店、交通について説明し、実習生からは金額や場所についてなど、さまざまな質問があがりました。
講評で塩入教授は「全員が同世代ということもあり、親近感を持って交流できていたと思います。実習生の皆さんが熊本にいられる時間は残りわずかですが、ぜひクマガク生がおすすめしたスポットなどを訪れてみてください」と話しました。また、小川氏は「皆さんの発表がとても面白く、各グループで協力し合っていて、有意義な時間を過ごしている様子が伺えました」、上村氏は「日本語だけでなく、英語やジェスチャーで積極的にコミュニケーションをとろうとしている姿が見られたので、日本の学生さんだけでなく、実習生の皆さんにとっても貴重な体験になったと思います」と述べました。
閉会の挨拶では、司会進行を担当した大学院国際文化研究科修士2年の古閑華恋さんと松本新花さんが「実習生の皆さんは熊本以外の場所で働くと思いますが、残りの時間でいろいろな経験を増やして、熊本の良さを感じてほしいです。そして、今後もぜひ互いに交流を続けてください」と締めくくりました。
インドネシア出身のニ プトゥ ブンガ クルシタ デヴィさんは「熊本では動物園やスーパーなど、いろいろな場所に行けて嬉しかったです。発表はとても楽しかったので、これからも日本語の勉強を頑張ります」と充実した表情で話しました。同じグループでサポート役を務めた東アジア学科4年の前川福美さんと永里実花さんは「フィールドワークで初めて実習生に合った時は少し緊張しましたが、全員日本語のレベルが高くて驚きました。日本語でわかりやすく伝えることは少し難しかったですが、発表を無事に終えられてよかったです」と笑顔を見せました。
今後はSNS(LINE)で交流を続け、実習生は日本語力向上、学生は日本語教育実践に努めます。