経済学科佐藤ゼミの学生が、田崎市場でフィールドワークを実施

学部

2023.06.21

 6月9日(金)、経済学科佐藤加寿子教授(専門:農業経済学、農政学)の3・4年ゼミ生18名が、田崎市場(熊本市西区)でフィールドワークを行いました。これは、農業政策について学ぶ学生たちが、生鮮食料品(野菜・果物・鮮魚)の流通で重要な役割を果たしている卸売市場・卸売市場制度について、現場を見ながらその機能を学ぶために実施されたもの。学生たちは、市場内でセリ人と買い手が商品を回りながら行う「移動ゼリ」を見学し、生産者が出荷した作物に初めて金額がつけられる様子を目にしました。

 その後、移動し、熊本大同青果株式会社管理本部の内田圭介次長より、農産物を生産者から仲卸や小売業者に販売する同社の卸売業者としての役割や、生活に欠かせない青果物の供給を支える重要性、加工品の企画や販売、また熊本県産の青果物を全国に広める事業について説明がありました。内田次長は「農家の後継者不足や高齢化による生産力の低下、気候変動などの課題に対し、「青果物の安定供給を確保するためには、私たち事業者が努力しなければならないと考えています。食べたいときに食べたいものが手に入る、そんな『当たり前』を支えることが私たちの仕事です」と述べました。
 続いて、株式会社熊本地方卸売市場の國徳健二総務部長から、田崎市場の規模や沿革、卸売・仲卸業者、売買参加者など市場に関わる人々について説明がありました。さらに、施設の維持・管理や、適正な取引が行われるよう指導・監督を行うなど、市場を裏から支える同社の役割についても説明し、「市場で働く人たちがそれぞれの役割を果たし、市場を円滑に運営しています」と語りました。学生からは取引相場や事業者間の支払い方法についてなど活発な質疑が行われました。

 参加した鮫島敏基さん(3年)は、「以前から相対取引について学んでいて、市場ではセリが主流であり、相対取引は1割程度だと思っていましたが、実際には7割もの取引が相対取引で行われていることがわかり、小売業からの需要の高さを感じました。将来的には卸売業に進むことも考えており、実際の現場や企業が取り組まれている事業について学べて良かったです」と笑顔を見せました。

※ セリではなく、売り手と買い手が直接に、価格、数量などを合意する取引方法

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