熊本県と「オープンデータ」利活用の推進に関する連携協定を締結
2023.08.03
7月12日(水)、本学と熊本県は、「オープンデータ」利活用の推進に関する連携協定を締結しました。
熊本県庁で行われた調印式には、本学から金栄緑副学長と松隈英明学術文化部事務次長、熊本県から小金丸健熊本県理事(デジタル戦略担当)、受島章太郎デジタル戦略推進課長が出席。協定書への押印後の挨拶で、小金丸理事は「本県では、昨年4月にデジタル戦略局を設置し、デジタル技術やデータを活用した地域課題の解決など、デジタル化・DXの推進に取り組んでいる。世界的な半導体メーカーであるTSMC(台湾積体電路製造)の立地という背景のなかで、デジタル人材の育成、確保が重要になる。熊本学園大学と県がさらに連携を深め、デジタル人材の育成や、データ活用に関する発信に取り組むことで、県全体のDXの推進、そして産業発展に繋がるものと大いに期待している」と述べました。
これを受け、金副学長は「オープンデータは、社会課題の解決や新たなサービス、ビジネスの創出によって経済活性化につながるものとして、その活用に大きな期待が寄せられている。連携を通じて、本学のICT関連の授業やデータ分析に取り組む学生たちがオープンデータに触れる機会を創出することで、時代のニーズに応じたデジタル人材の育成につながる。本学の研究者が携わるさまざまな研究領域においてもオープンデータ活用の可能性を探るべく、積極的な意見交換を実施していきたい。広く地域の方々の意見を取り入れる機会を持ちながら、オープンデータ活用に向けた社会機運の醸成にも寄与していく」と挨拶しました。
本協定に基づく事業の第一弾として、7月15日(土)に学生のフィールドワークを通じたマッピングイベントを実施しました。これは、大学周辺のまち歩きを通して大江地区の魅力を発見し、収集した情報をコミュニティ主導のオープンデータであるOpen Street Map※(以下、OSM)に掲載する「マッピング」活動を通じて、オープンデータが私たちの暮らしにとってどのような価値をもたらすのかを感じる機会として行ったもの。地域中核人材育成プログラム「ICT特別講義(担当、境章名誉教授)」受講学生をはじめとする在学生、熊本県および本学の関係教職員あわせて20名が参加しました。イベントに先立ち、熊本県デジタル戦略推進課の廣岡俊治氏が「熊本県のオープンデータの取組みについて」と題して、県のオープンデータ活用の現状などについて説明し、理解を深めました。その後、学生たちは稲津暢洋熊本博物館主幹のガイドのもと、キャンパスや大江地区を散策し、史跡や店舗の情報を記録。学内に戻って、自分がマップに登録したい情報について発表し、OSMのルールに沿って実際に情報を書き込む作業を行いました。
境教授は「自治体が出すオープンデータはもちろん有益だが、まだないデータは自分たちで作り出していくということも重要。自治体のデータと市民活動によって作り出されるデータをかけ合わせることによって、もっと役立つものができると考えている。このような活動を広げていきたい」と話しました。参加した太田黒皓亮さん(英米学科1年)は、台湾料理店をマッピング。「TSMCの進出で県内にも台湾の方が増えてくるので、台湾の料理が食べられるところが分かると役立つと思ってマッピングした。今後は自分でもOSMを使って取り組んでみたい」と話しました。
※Open Street Map…コミュニティ主導のオープンデータであり、すべての人が自由に利用でき、編集機能のある世界地図を作る共同作業プロジェクト