熊本学園大学高度学術研究プロジェクト「地域モビリティ共創研究プロジェクト」 キックオフセミナーを開催しました

イベント

2023.08.01

 本学は令和5(2023)年度より、研究活動を推進し特定のトピックス分野を担う研究者グループを「高度学術研究プロジェクト」として支援するプロジェクトを開始しました。この取り組みの第1期となる「地域モビリティ共創研究プロジェクト」のキックオフセミナーが、7月7日(金)、14号館1412教室で行われ、熊本県、市、関係団体の職員や在学生、大学教職員など約40名が参加しました。開会の挨拶で細江守紀学長は、「高度学術研究プロジェクトは、機動的な共同研究の活性化を目的に本学の高度学術研究支援センターの新たな取り組みとして立ち上げました。学内で行われているさまざま研究活動を共同研究として発信できる公募型の第1回プロジェクトが発足しました。学内や他大学の研究者、行政などが結集し、コラボしながら研究を深める活動を支援していきます」と述べました。

 続いて、溝上章志経済学部教授(専門:都市・交通政策、まちづくり)が「熊本市における公共交通の現況と課題、および地域モビリティ共創研究プロジェクトの研究内容と計画」と題して基調講演を行いました。溝上教授は熊本市のバス輸送において、モータリゼーションの進展や市街地人口の低密度化による路線の統廃合や運行頻度の削減による背景を踏まえ、高齢者やしょうがい者の活動には欠かせない公共交通の路線の維持や財政支援のあり方などの諸課題に対し、バス輸送の一元管理と補助制度の見直しなど各種政策を挙げ、事業者の垣根を超えた重複路線の最適化などの成果を紹介しました。また、鉄軌道やバスといった従来の公共交通機関だけではなく、乗り合いタクシーなど今後導入が進むと思われるオンデマンドサービスや、シェアリングサービスを統合した公共交通のリ・デザインについて紹介。最後に溝上教授は今回の研究活動を広め、学内外から共同研究者を募りたいと今後の研究活動の拡大に向けた意気込みを述べました。参加した運輸事業者、熊本県、熊本市などの担当者からは、政策への学術的提言や持続可能な公共交通実現に向けたプロジェクトへの期待が寄せられました。

 研究紹介では、同プロジェクトの研究分担者である小葉武史経済学部教授(専門:マクロ経済政策)が「シェアリングエコノミーの経済理論分析」と題し、「移動する」という目的に対して個人で車を持つか、あるいはレンタカーを借りるかといった選択行動と車や自転車といった資本を活用することで利益を得る事業者の行動を分析し、シェアリングエコノミーを経済学の枠組みのなかで捉えた研究を報告。続いて、溝上教授が「自動運転とシェアリングが融合した新たなモビリティサービス」と題して熊本県における実例の紹介と今後の展開について発表しました。

SHARE: