「次代舎」(第6期)で本学会計専門職研究科の新改准教授が講義

教員・研究

2023.08.14

 8月3日(木)、本学産業経営研究所と株式会社リ・パブリックが企画運営する熊本イノベーションスクール「次代舎(第6期)」(主催:熊本県)で、本学大学院会計専門職研究科の新改敬英准教授(専門:管理会計、組織マネジメント)が講演しました。「組織マネジメント基礎」と題して14号館1411教室で行われた講義には、県内各地の企業から16名が参加しました。
 新改准教授は、「組織デザイン」「チームビルディング」の2つのテーマに沿って解説。「組織デザイン」のセクションでは、会社組織を形作る2つの型について触れ、命令・指示がメインの「ピラミッド型」と、情報提供・助言がメインの「ネットワーク型」の組織のそれぞれのメリット・デメリットについて紹介しました。新改准教授は、健全なピラミッド型の組織が効率的で信頼性の高いアウトプットを生み出すことができる一方で、新規事業を推進する阻害要因になりうるとし、「組織というのは、法令・業界ルールや社内政治などにより変化を抑制し現状を維持しようとする傾向があり、基本的に変わることができない。戦略(目標達成までの方向性)により、ハイブリッド型を採用するなど最適な組織デザインを選択する必要がある」と述べました。
 「チームビルディング」のセクションでは、SNSのフォロワーや友だちの友だちなどの「弱いつながり」と、親友や親子、上司と部下、契約関係などの「強いつながり」が持つそれぞれの強さを解説。「弱いつながり」のネットワークでアイデアを探索し、「強いつながり」のネットワークでアイデアを実現する有効性について言及しました。また、組織のメンバー全員が同じ情報を共有できている組織より、メンバー各自がバラバラの情報を知っている組織の方が「組織の記憶力」は強いとし、「メンバーそれぞれが異なる知識を持ったうえで、各メンバーが『他のメンバーの誰が何を知っているのか』を知っていることが重要で、複雑化・専門家・多様化する現代では、すべてを自社で行う自前主義を捨て、社内・社外との連携でより大きな成果を出すことが求められる」と語りました。
 各セクションでは、組織の型に関するテーマやケース教材について、グループディスカッションの時間が設けられ、積極的な議論が交わされる場面も。参加者はメモを取りながら真剣な表情で受講していました。

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