商学部「ベンチャー起業論」でゲスト講義を実施しました

イベント

2023.10.20

 10月6日(金)、1411教室で商学部の「ベンチャー起業論」(担当:足立裕介准教授)のゲスト講義が行われ、本学経済学部卒業で、株式会社Circulife代表取締役の川原剛氏が登壇しました。これは、ベンチャー企業の経営者から起業についての経験や心構え、アントレプレナーシップ(起業家精神)に触れることで起業をより身近に感じることを目的に実施されるもので、2年生から4年生までの学生約70名が受講しました。
 川原氏は関東で音楽関係の会社に勤務していた際、環境問題に関心が高いアーティストたちや大手アパレル関係者と接するなかで環境問題に強い関心を持ち、地域の資源を活用して環境への負荷を軽減するものづくりがしたいと一念発起し、2021年11月に天草産ヒノキや小国杉などの間伐材からつくる木糸(もくいと)を使った衣類や靴などの製品を企画・開発する会社を設立しました。同氏は講義のなかで、起業するメリット・デメリット、事業計画の立案、資金調達、そして起業や事業を継続するにあたっての考え方について説明。そのなかで、事業の軸となる「purpose」を策定することで、事業計画の立案、商品開発やプロデュースに一貫性が生まれる、その重要性について述べました。また、起業にかかる資金面については、初期費用の金融機関からの借り入れや、クラウドファンディングを活用した資金調達方法を共有。クラウドファンディングにおいては、「purpose」を明文化したことで川原氏のビジョンに共感する124人の投資家から支持を得られたと語りました。川原氏は、起業には「行動力とぶれない信念、そして数字を読む力」が必要だと強調し、挑戦しなければ何も達成できないこと、強固な信念をもって事業に臨むこと、企業の財務諸表や利益率などの数字を理解するスキルの重要性について言及しました。

 最後に川原氏は学生たちに向けて「起業を考えるということは、現在の自分の棚卸だと思っている。社会に対して抱く不満や変革したい気持ちがあるならば、その課題に取り組んでいる企業に転職するか、どの企業も取り組んでいないのであれば起業が唯一の選択となる。このタイミングで、自分の持つ力、現在の社会情勢、そしてどんな不満が存在するのかといった要素を見つめ直す時間になると思う。失敗しても経験値が増えたと受け止め、楽しみながらさまざまな事に挑戦する行動力を持ってほしい」とエールを送りました。

 講演後は、同講義のコーディネーターとして参加する株式会社しびっくぱわー代表取締役社長の堀下恭平氏とのトークセッションが行われ、サラリーマン時代と起業後の自由度の違いや、タスク管理や会社における各部署の重要性、今後のリクルート活動や事業展開などについて、より具体的な話が繰り広げられました。
 聴講した安楽桃さん(商学科2年)は「講師たちの対談で、周囲の人に感謝することが多くなったと話されていたことが印象的。会社でも起業するにしても人との関わりは大切だと改めて学んだ。アルバイト先でも自然由来の素材から作られた商品を販売しているが、今日の話を聞いて環境に優しい商品づくりや企業努力についてもっと勉強していきたいと思った」と感想を語りました。

 今後、学生たちは講義やグループワークを通して新規事業の計画を策定し、プレゼンテーションを行う予定です。

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