商学科足立ゼミの学生がベンチャー企業と連携し価値共創プロジェクトを実施

イベント

2023.11.06

 中小・ベンチャー企業を対象に、企業を円滑に経営していくための考え方や方法について学ぶ商学科・足立裕介准教授(専門:中小企業論)の3年ゼミ(応用演習Ⅰ)生15名が、ベンチャー企業4社と連携し、「価値共創プロジェクト」を7月にスタートさせました。同ゼミではベンチャー企業や中小企業について、事業の構築から組織の運営、資金調達などに関する理論を、座学を中心に学んできました。本プロジェクトは、ベンチャー企業の支援を積極的に行う株式会社熊本日日新聞社の協力のもと、学生たちが企業活動に直接アプローチし、企業が抱える課題を理解して、企業と学生が協力して新しい視点や価値を生み出すことを目的に行われているもの。8月からは4つのグループに分かれ、企業訪問などを行ってきました。

 10月18日(水)には、連携企業の1社で県産食材を全国に広める活動を展開する熊本ネクストソサエティ株式会社の案内により、全国でも珍しい国産のアボカドやパッションフルーツ、バニラビーンズなどの熱帯果樹栽培を行うTobase(トバセ) Labo(ラボ)(宇城市三角町戸馳島)を学生3名が訪れました。学生たちはバニラビーンズが栽培されるハウスを見学し、Tobase Laboの中川裕史代表から、元々は洋蘭栽培で使われていたハウスで熱帯果樹栽培を始めた経緯や、少子高齢化にともなう後継者不足、あるいは農業に関する国のシステムの説明などを受け、第一次産業が抱える経営課題について理解を深めました。中川代表が取り組む島の素材を使ったイベント運営など、農業と観光を融合させた多面的な活動についても学びました。学生たちは今後、県産の食材を使ったキッチンカーの運営を通して、経営の疑似体験にも取り組む予定です。

 また、別の連携企業である、ホームページ制作や映像制作を手掛ける株式会社熊日デジタルとは、Web広告事業の拡大を課題と認識して活動しています。10月26日(木)、同事業の具体的な課題を探るために、Web広告のユーザーである株式会社サイバーレコード(熊本市中央区平成)を、学生3名と熊日デジタルの職員3名で訪問しました。サイバーレコードの増田一哉代表取締役から、EC(※)に関する運営代行業やふるさと納税事業を通して地域の事業所の躍進に貢献する同社の概要や、実際に活用しているSNSやWeb広告、起業経験をもとにした経営観や将来のビジネス展開などの説明がありました。学生からは、タスク管理に関することや、SNSやWeb広告のターゲット層などについての質問を行い、回答を熱心にメモしていました。その後行われた職場見学では、業務のオンライン化が進んだオープンフロアのオフィスやコールセンター、職場環境の快適さを追求したオフィスアメニティなどについて説明を受けました。参加した、池田桂梧さん、詫間翔さん、岩下冠太さんは、「Web広告で注目していた企業を実際に訪問することができ、Web業界を広く見せていただいた。訪問を通じて、広告媒体やターゲット層に対する緻密な考察がいかに重要かを強く実感した」と語りました。

 学生たちは、今後それぞれの企業が抱える課題に対する付加価値拡大の方策をグループで検討し、実行に移していく予定です。

 

(※)EC・・・「Electronic Commerce」の略で、インターネット上で交わされる商取引のこと

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